接着基礎知識

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接着マメ知識

表面処理法

プライマー処理

プライマー(下塗り剤)は、被着材表面の接着性を改善するために塗布する不揮発分の少ない低粘度液体です。薄く塗ることがポイント。充分に乾いたところで接着剤を塗り重ねます。被着材に応じてプライマーの種類は異なります。また接着剤、シーリング材の種類によってもプライマーは違いますから指定プライマーを使ってください。プライマーの機能には接着性改善のほか、表面処理後の表面安定化、金属表面の防食、粘着性の付与、接着剤の劣化防止など用途によっていろいろな目的が含まれています。

機械的処理

機械的処理は、研磨紙、研磨布、ワイヤブラシ、サンダー、サンドブラスティングなどを用いて被着材表面を研削して接着性を改善する手法です。表面は内部と違った状態にあり、金属は弱い酸化物層が、プラスチックやゴムは離型剤や配合剤の表面への浮き出し、木材では表面疎水化など接着には適さない状態になっています。この層を取り除いて接着性表面にすることがこの処理の目的です。処理後はできるでけ早く接着剤を適用してください。

化学的処理

難接着性表面の改質あるいは耐久接着を実現するために薬剤を用いて表面を処理する方法です。難接着プラスチックを含め化学的処理はJISK6848にその方法が示されていますが、実験室ならともかく現場では実用的ではないと思われます。ただし、機械的処理の困難な金属製軽薄部品などでは、信頼性の高い接着を得るために化学的処理を行っています。航空機のアルミやチタン合金で接着前処理としての必須工程になっているのは、耐久性確保のためです。

物理的処理

主にプラスチックの表面改質に用いられる処理で、

  1. 紫外線照射処理
  2. コロナ放電処理
  3. プラズマ処理

 

などがあります。1.はエネルギーの強い短波長の紫外線を利用する方法ですが、プラスチックの種類によって紫外線の吸収度が違いますから確認が必要です。2.は固定電極と誘電体でカバーされた接地ロール間に高周波の高電圧を印加し、発生するコロナ放電の中をプラスチックを通過させて処理する方法です。フィルムやシートに多用されています。3.は真空下で処理ガスを用い、グロー放電により表面改質する方法です。装置の関係から工業利用は一部に限られています。

 


試験方法

1.引張り接着強さJISK6849(1994)

接着面に垂直な引張り荷重により測定する方法

2.引張りせん断接着強さJISK6850(1999)

接着面に平行な引張りせん断荷重により測定する方法

 

3.圧縮せん断接着強さJISK6852(1994)

接着面に平行な圧縮せん断荷重により測定する方法。

被着材料は、木材、プラスチック、金属、その他の無機材などの厚板である。

4.割裂接着強さJISK6853(1994)

接着剤の接着強さを試験片の一端に割裂荷重を加えることにより測定する方法である。

 

5.はく離接着強さJISK6854(1999)

接着剤の接着強さの一方又は両方の被着材料がたわみ性である試験片をT形、180度または浮動ローラー法で引きはがすことにより測定する方法である。

6.衝撃接着強さJISK6855(1994)

接着剤の接着強さを衝撃試験機を用いて試験片の接着面に平行方向の衝撃を加え、試験片が破壊する時の衝撃接着強さを測定する方法である。

 

7.曲げ接着強さJISK6856(1994)

接着剤の曲げ接着強さを接着面に直角方向の曲げ応力を加える事により測定する方法でA法B法がある。

8.クリープ破壊試験JISK6859(1994)

一定の温度の下で接着試験片に一定の静荷重を加えた時の接着剤のクリープ破壊特性(あるいはズレ)を試験するものである。温度、静荷重はその時の条件による。

 


 

接合部の設計

1.応力の分散

接着したときに形成される接着層には、一般にさまざまな応力が発生します。したがって「できるだけ最大の面積に、一様に応力を分布させる」のが最も望ましい接合部設計です。これが、応力を分散して面接合を行なうという接着剤の最もすぐれた長所を生かす接合部設計の基本的な考え方です。

  1. 接合部にかかる応力を最小にすること。
  2. 接着剤の最高強度の方向(せん断、引張り)に応力がかかるようにすること。
  3. 接着剤の最低強度の方向(はく離)にかかる応力を最小にすること。
  4. 接着剤面積をできるだけ大きくすること。
  5. 接着層の連続性を保持すること。(欠こう部をなくす)

2.接合部に働く応力の基本形

接着層に受ける応力の基本形は下図のように引張り、せん断、割裂、はく離の4つに分けられます。この4つの基本形のうち引張り、せん断は接着面全体に一様な応力を受けることになりすぐれた接合部設計を示しています。しかし割裂、はく離の場合は接着面の一方あるいは端部に応力が偏り不充分な設計になります。

3.接合設計

接合部設計で広く一般に実用化されているものを次に示します。

4.設計上の注意

  • 接合部の設計に当って接合部の機械加工があまりに複雑で、かつ当て板など余分な材料を必要とすれば、軽量を目的にする接着の利点を失うことになるので、このような接着継手の設計にはそれぞれ使用目的に合った実用的なものを有効に活用してください。
  • 接合の目的に対して接着剤単独では不充分と判断される場合は、接着剤と機械的接合方法を併用するなどして、いたずらに接着剤のみに頼ることをさけてください。

 


 

国際単位について(接着剤関連)

SI単位とは

  • 国際単位系の略(フランス語で Systeme International d' Unite)
  • 1960年第11回国際度量衡総会でメートル法を拡大発展「一量一単位を原則とし、整合性にすぐれたSI」の採用が決定・勧告された
  • ヨーロッパでは既に実施、日本は1993年11月より、実施された。

どのような単位?

  • 主に力・応力にニュートン。応力、圧力、粘度にパスカル。エネルギー、熱量にジュールという単位を使用する。
  • これらの単位名は関係法則を発見、提言した歴史上の科学者の名前で、その業績を称える意味で使用されている。

接着剤に関連する単位はどう変わる?

  • 接着強さ(例)
    1kgf/cm2→0.098MPa(メガパスカル)又は0.098N/mm2(ニュートン/平方ミリメートル)
  • はく離接着強さ(例)
    1kg/25mm→0.39N/mm
  • 粘度(例)
    10P(ポイズ)→1Pa・s(パスカル・秒)
    1cP(センチポイズ)→1mPa・s(ミリ・パスカル・秒)