接着基礎知識

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接着剤の選び方

1.何と何を接着する?

接着剤の選定というのは思ったより難しいものです。接着剤そのものが種類が多く更に使用方法や条件が複雑で組み合せが多岐にわたるからです。しかしその中で意外に忘れやすいのはつけるものが本当に接着が可能な材料なのかどうかということです。原価低減により安いポリエチレン部品を採用したところ結局接着ができずむしろ高い物についてしまったなどのご経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。まず接着する材料の性質を良く検討した上で接着剤を選ぶ必要があります。

  接着が困難な材料 接着しにくい材料
プラスチック ポリエチレン
ポリプロピレン
テフロン etc.
ポリアセタール
ナイロン
各種エンプラ etc.
ゴム フッ素ゴム
ブチルゴム etc.
シリコーンゴム
EPDM ウレタンゴム
TPE etc.

2.使用目的は

接着剤をどのような目的、用途で使用するのか。強力な構造接着か、一時的な仮止め接着か、充填接着か、あるいはコーティング材として使用するのかで選ぶ接着剤の種類も変わってきます。例えば力を伝達しなければいけない金属同士の構造接着で力を吸収、緩和する弾性接着剤を選んでも意味がありません。また、充填接着剤の中でもポッティングの場合は流れやすい低粘度のものが必要ですが、反対に垂直面などに接着する場合は流れを止めた高粘度の接着剤が必要になります。目的、用途に合う接着剤を選択するにはその接着剤の基本的な性状、性質を見極めなければなりません。

 

3.接着後の条件

被着材への接着性と目的、用途に合う接着剤のグループが選択できましたら次は接着した後はどのような条件が加わるのかを考えてみましょう。常に水や薬品がかかる、高温にさらされる、振動がかかるなどの条件を十分に把握して、それに見合う接着剤の性能を選びます。せん断接着力が200キロもあるからと言って屋外の振動のかかるところに瞬間接着剤を使用してはいけません。

耐久性
例:冷熱繰り返し試験・耐水試験など
耐久性 接着剤系統














弾性系
熱硬化性樹脂系
エラストマー系
熱可塑性樹脂系
瞬間系
ホットメルト系
エマルジョン系
(木材同士を除く)

 

4.接着時の条件

接着剤の選定は今まで述べた三要素を満足させることが絶対条件で、その後に選定した接着剤に合わせた塗布または接着条件を設定していくのが正しいのですが、現実には生産性や既存ライン条件が優先されてしまうこともあります。硬化速度、塗布方法、機械適性、安全衛生などの限定された条件に合う接着剤を選びます。

初期硬化速度
硬化速度 接着剤系統















瞬間系
ホットメルト系
2液常温硬化樹脂系
熱硬化性樹脂系
エラストマー系
熱可塑性樹脂系
弾性系
エマルジョン系
(木材同士を除く)

 

5.コストは

接着剤はその基本機能として物と物をつけることにより新しい価値を産み出すものです。したがって1キロ当りの価格が高いとか安いとかで判断はできません。信頼性、作業性、安全性、実質使用量、設計の自由度、接着物の付加価値性などを考慮する必要があります。

さあ、これで接着剤の選定が終りました、次は皆さんが選んだ接着剤を使ってみましょう。

コスト比較
kg当り 接着剤系統 固型分















瞬間系 100%
弾性系 100%
2液常温硬化樹脂系 100%
熱硬化性樹脂系 80〜100%
ホットメルト系 100%
エラストマー系 30〜50%
熱可塑性樹脂系 20〜70%
エマルジョン系 30〜70%