接着基礎知識

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新しい接着の考え方

機能性接着剤

接着剤は本来、物と物とを接合するのが基本機能です。しかし最近ではその硬化方法や接着スピードに多様性が求められ、さらに硬化後の接着層に導電性や耐久性などのいろいろな働きがもとめられるようになりました。

例えばレンズの接着にはガラスと同じ屈折率の透明性が要求されます。このような接着機能以外の特性を強調した接着剤を総称して機能性接着剤と呼びます。

機能 内容
硬化性に
特長
瞬間硬化 5秒以下の超速硬化形瞬間接着剤もある
接触硬化 片側にA剤を、一方にB剤を塗布し混合不要で接触だけで硬化
UV硬化 光透過性材料の接着で紫外線を照射するだけで瞬時に硬化する
嫌気硬化 ネジのすき間などに浸透させ、空気中の酸素を遮断して硬化させる
硬化物に
特長
透明性 レンズのようにガラス屈折率に近い透明性が要求される場合もある
導電性 電磁波障害対策として接着剤にも導電、電磁波吸収機能の要求がある
耐熱性 アルミナ、ジルコニアなどの無機系は1000℃の温度にも耐える
弾性 伸びが100%もあり熱膨張係数の異なる異種材料や耐久接着に使用する
その他 伝熱性、発泡性、絶縁性、難燃性

弾性接着剤

この機能性接着剤の中で特に接着層に耐久性を意識して設計されたのが「セメダイン弾性接着剤」として発売されています。この弾性接着剤は、従来の力学的機能を強調した接着剤、すなわち力を効率よく伝達する高強度、高剛性のものを構造用接着剤ということからすれば力を伝えにくい、そのエネルギーを吸収するような性質のものといえます。弾性接着剤は硬化後ゴム状弾性体となり、その柔軟な中間層の存在により従来の接着剤にはないさまざまな特長を持っています。

 

粘着接着剤

接着剤の理想形としてかなり以前より「粘・接着」又は「粘着・接着」という考えがありました。しかし技術的には非常に難しく実用化に至った製品はほとんどありません。一方溶剤形ゴム系コンタクト接着剤は初期硬化過程に長い粘着領域を持つ大変使い易い接着剤で、ある種の粘接着剤ともいえます。最近開発されたセメダインスーパーXは弾性接着の性能を持ちながらゴム系と同様の接着ができる世界でも初めての1液、無溶剤、常温速硬化形の粘着接着剤です。

 

接着剤の今後の展望

接着剤にはますますいろいろな機能が求められるようになるでしょう。理想的には必要な性能を必要な期間維持し、不要になった時自然に、あるいは容易に消滅又は解体できるような接着剤が望まれます。接着製品のリサイクルを前提にした接着技術がいま求められています。また材料的には生体用接着剤として蛋白質によるバイオ接着剤が期待されています。セメダインはこれからも将来に向けさまざまな「つける」ことの可能性に挑戦していきます。

あらためて接着とは?

点、線そして面

物を接合する形は様々です。しかし、最も安定した形は、できるだけ広い面積を使って接合した形であるはずです。いくつかある接合方法のなかで、接着の方法が極めて現代的な感覚をもっているのはこのように理論的根拠が明確であるからでしょう。リベットは点接合、溶接は線接合、そして接着は面接合。このように点、線、面とならべてみるとそれぞれの接合方法の中で接着の方法が最も新しい可能性に富み、特に異種材料の接合においてはすべての接合方法の基本であることが明らかになります。

面があって接着がある

応力の分散は、接着接合、すなわち面接合によって最大限に達します。接合面全体に応力が分散され接着力、繰り返し応力に対する抵抗性を高めるために合理的な接合部設計が行われます。更に、面接合は水密、気密、電気絶縁、断熱などに直接的な効果があります。このように面があって初めて接着の接合方法としての価値があるのです。

かくれた面で働く

接着は面接合の形をとるため、接着剤は面と面の間にサンドイッチされて層状に広がり、閉じ込められたままで接合をおこないます。したがって外観を損なわずに表面の空気及び水に対する抵抗を小さくすることができるなど優れたデザイン特性を備えています。 航空機やスペースシャトルなどによって代表される高速化と軽量化への課題は、接着技術の粋を集めることによって新しい方向が示されたのです。