目地の設計

ワーキングジョイントの目地設計

(1)ムーブメントの算定

(1)温度ムーブメント

δt = α・l・ΔΤ(1-Kt)

δt 温度ムーブメント(mm)
α 部材の線膨張係数(/℃)
l 部材の設計長さ(mm)
ΔΤ 部材の実効温度差(℃)
Κt 温度ムーブメントの低減率
  • 主な目地構成部材の線膨張係数αは表の値を目安とする。
  • 部材の実効温度差ΔΤは表の値を目安として設定する。
    同表では構成部材表面の色調が明色と暗色の両極端の場合について数値を示したが、実際の色調に応じて中間の数値を用いてよい。
  • ムーブメントの低減率Ktは表の値を目安とする。

部材の線膨張係数α(×10-6/℃)

形状 種類 線膨張係数
形材 アルミニウム 23
パネル 金属 アルミニウム板 23
アルミニウム鋳物 23
ステンレス 17
10
コンクリート 10
ALC 7
ガラス 9

部材の実効温度差ΔΤ(℃)

形状 構成部材 外壁 笠木
種類 表面の色調※2
形材 アルミニウム 明色 55 65
暗色 70 80
パネル 金属 アルミニウム板 明色 55 65
暗色 70 80
アルミニウム鋳物 明色 50 55
暗色 65 70
ステンレス 明色 55 65
暗色 70 80
明色 55 65
暗色 70 80
コンクリート 明色 35 40
暗色 40 45
ALC 明色 40 -
暗色 45 -
ガラス 一般 - 45 -
特殊※1 - 55 -
  1. ※1熱線吸収・熱線反射などの熱吸収の大きい板ガラス
  2. ※2明色は金属素地光沢を有するものおよび、明度が比較的白色に近いもの
    暗色は明度が比較的黒色に近いもの

温度ムーブメントの低減率 Kt

形状 構成部材の種類 外壁 笠木
形材 アルミニウム 0.2 0.1
パネル 金属 アルミニウム板 0.3 0.1
アルミニウム鋳物 0.2 0.1
ステンレス 0.3 0.1
0.3 0.1
コンクリート 0.1 0.1
ALC 0.1 -
ガラス 0 -

(2)層間変位ムーブメント

層間変位による目地の動きは、部材の構成や剛性によって異なる。一般に1ユニットが剛性の高いPCやアルミ合金製鋳物で構成されるカーテンウォールで大きく、それらの取付け方法としては、スライド方式、ロッキング方式、スライド・ロッキング併用方式がある。

スライド方式

δH = R・hp(1-Kr) = Δ(1-Kr)

ロッキング方式

δv = R・wp(1-Kr) = Δ(wp/hp)(1-Kr)

ここで

δH 横目地のムーブメント(mm)
δv 縦目地のムーブメント(mm)
R 層間変形角(rad)
Δ 層間変位(mm)
hp パネルの高さ(又は階高)(mm)
wp パネルの幅(mm)
Kr 層間変位ムーブメントの低減率
  • 温度ムーブメントの低減率Ktは表の値を目安とする。

層間変位ムーブメントの低減率 Kr

hp/wp スライド方式 ロッキング方式
2以上 0.1 0.1
2未満・0.5以上 0.2
0.5未満 0.3
  1. ※1PC カーテンウォールの場合
  2. ※2hp : パネルの高さ
    wp : パネルの幅

(2)設計目地幅の算定

目地幅は下記の式で算定する。

ここで

w 設計目地幅(mm)
δ 目地ムーブメント(mm)
ε シーリング材の設計伸縮率又は設計せん断変形率(%)
We 目地幅の施工誤差(mm)
  • シーリング材の設計伸縮率・設計せん断変形率εは表の値を標準とする。

シーリング材の設計伸縮率・設計せん断変形率εの標準値

シーリング材の種類 セメダイン「商品名」 伸縮 せん断 備考※3
M1※1 M2※2 M1※1 M2※2 耐久性の区分
1成分形 シリコーン系 8060プロ (10) (15) (20) (30) 9030G
変成シリコーン系 POSシール 10 15 15 30 8020
POSシールLM 10 15 15 30 8020
ポリウレタン系 S700NB 10 20 20 40 8020
2成分形 変成シリコーン系 POSシールタイプⅡ、POSシールタイプⅡNB 20 30 30 60 9030
POSシールタイプⅡ超耐候S525 20 30 30 60 9030
ポリサルファイド系 ポリシールN 10 20 20 40 8020
ポリウレタン系 S750NB 10 20 20 40 8020
  1. ※1温度ムーブメントの場合
  2. ※2風・地震による層間変位ムーブメントの場合

( ):ガラス回り目地の場合

  • 目地幅の施工誤差Weは、部材寸法の精度と施工精度に関係し、表の値を標準とする。

カーテンウォール部材取付け時の目地幅の許容差Weの標準値(mm)〈JASS 14より抜粋〉

項目 金属製
カーテンウォール
アルミニウム合金
鋳物製カーテンウォール
プレキャストコンクリート
カーテンウォール
目地幅の許容差 ±3 ±5 ±5

設計目地幅Wの許容範囲(mm)

シーリング材の種類 目地幅の許容範囲
最大値 最小値
シリコーン系 40(25) 10(5)
変成シリコーン系 40 10
ポリサルファイド系 40(25) 10(5)
ポリウレタン系 40 10

[注]( )内の数値はガラス回りの場合の寸法を示す。

(3)目地深さの算定

目地深さ(シーリング材の厚さ)は目地幅との関係〈形状係数D/W〉と実用上の必要接着面積から決定し、図にある許容範囲内に納まるように設定する。

図 ワーキングジョイントの目地深さDの許容範囲
  • 目地深さDの寸法のとり方は図のようにする。
図 目地深さDの寸法のとり方

(4)バックアップ材およびボンドブレーカー

バックアップ材およびボンドブレーカーの代表的な例は表による。

使用部位とバックアップ材およびボンドブレーカーの材質形状の適切な組合せ

使用部位 形状・材質 備考
コンクリート目地 〈バックアップ材〉
角・丸型ポリエチレン独立気泡発泡体
目地幅×1.1〜1.3 目地底が無い場合は、丸型および中空丸型を使用する。
金属目地 〈バックアップ材〉
角型ポリエチレン独立気泡発泡体
目地幅×1.1〜1.2 のり付きの場合は、目地幅より1〜2mm小さいものを使用する。
ガラス目地 〈バックアップ材〉
ポリエチレン独立気泡発泡体
セッティングブロック(EPDMゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル樹脂)
目地幅×1.1〜1.2 合成ゴム、樹脂は、シーリング材に悪影響(変色など)を及ぼさず、かつ接着しないこと。
深さが浅い目地 〈ボンドブレーカー〉
薄型テープ(1mm厚)
シリコンテープ
ポリエチレンテープ
目地幅×0.8〜0.9 シリコーン系、ポリイソブチレン系、変成シリコーン系はポリエチレンテープ、(シリコーンテープは接着する場合がある)ポリサルファイド系、ポリウレタン系はシリコーンテープ、ポリエチレンテープを使用する。

ノンワーキングジョイントの目地設計

ノンワーキングジョイントにおける目地の寸法は、設計意図、外装形態、施工性などを考慮して決められるが、シーリング材の性能面からは表の範囲内に納めるようにする。

ノンワーキングジョイントの目地寸法の許容範囲(mm)

シーリング材の種類 目地寸法の許容範囲
硬化機構 主 成 分 最大値 最小値
深さ 深さ
反応硬化2成分形 変成シリコーン系 40 30 10 10
ポリサルファイド系 40 30 10 10
ポリウレタン系 40 20 10 10
湿気硬化1成分形 シリコーン系 40 20 10 10
テレケリックポリアクリレート系 40 20 10 10
変成シリコーン系 40 20 10 10
ポリウレタン系 40 20 10 10
乾燥硬化1成分形 アクリル系 20 15 10 10
乾燥非硬化1成分形 油性コーキング材 30 20 10 10

積算参考資料

(1)シーリング材1l当りの概算施工m数

  目地幅(mm)
6 8 10 15 20 25 30 40
シール厚(mm) 6 23.1 17.3 13.8          
8   13.0 10.4 6.9        
10     8.3 5.5 4.2      
12       4.6 3.5 2.8    
15         2.8 2.2 1.8  
20           1.7 1.4 1.0
25             1.1 0.8

〔注〕ロス分 約20%を考慮しています。

(2)プライマー1缶(500g)当りの概算施工m数

  材質
多孔質(面)
(コンクリート、石材など)
非多孔質(面)
(金属、ガラスなど)
シール厚(mm) 6 - 300
8 113 225
10 90 180
12 75 150
15 60 120
20 45 90
25 36 72

〔注〕ロス分 約20%を考慮しています。

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