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家庭用
2024年02月06日
剥げたフローリング、ひび割れした壁、ハムスターがかじった扉! 他人の家のキズを素人がパテで直す
自宅を見渡すとキズというものがある。長く住んでいるとキズはどうしても生まれてくるもの。このキズを素人でも手軽に直すことができればと思う。なんの知識も技術もないけれど、自宅のキズを直したいのだ。
そこで登場するのがセメダインの「木工パテA」と「穴うめパテ」だ。難しい調合のようなものはなく、買ったそのままでキズを直すことができる。ということで、実際に使ってみようと思う、他人の家で。
他人の家のキズを直す
同じ家に長く住めば住むほど自宅にはキズが増える。それは何かを引っ掛けた際にできたキズかもしれにないし、何かを落とした際にフローリングが剥げたものかもしれない。原因を覚えているキズもあれば、忘れてしまったキズもある。
このキズを手軽に直せるアイテムがセメダインから販売されている「木工パテA」と「穴うめパテ」だ。どちらも難しい使用方法ではなく、基本的には買ってきてそのまま使えるし、色の問題さえなければ、これだけでキズの修繕は完結する。
木工パテAは、フローリングやウッドデッキ、柱のキズ補修に使うアイテムだ。水性なので臭いも少なく安全。色は「タモ白」と「ラワン」の2種類があるので、キズの箇所と色が合えばこれだけで補修は完結する。色が違う場合でも水性塗料を塗ることができる。
こちらはベニヤ板やコンクリート、モルタルのへこみを補修できるアイテムだ。先と同じくこちらも水性なので安全だ。壁に押しピンを使うと穴が開くけれど、このアイテムで補修できる。色は3種類あり、色が補修先と合わなければ、水性・油性塗料で塗装可能だ。
さて、このアイテムを使い自宅のキズを補修したいと思った。しかし私の家にはキズがない。私はキズを「思い出」と言うようにしているので直す必要がないのだ。思い出だから残しておきたい派なのだ。
しかし、「木工パテA」や「穴埋めパテ」は使いたい。唯一のキズである押しピンの穴をなんとなく補修したら、めちゃくちゃ楽しかったからもっと盛大に補修したいのだ。
フローリングを補修する(雷鳴編)
「補修したいキズはないですか?」と何人かの知り合いに連絡したところ、一人の知り合いがぜひ直して欲しいと言ってくれた。「おまかせください」と私は木工パテAと穴うめパテを持って訪れた。キズを見せてもらうとなかなかのキズだった。
かなり前にフローリングが剥げてしまったらしい。なんで剥げたのかも覚えていないとのこと。これでは思い出とは言えない。キズだ。直さなければ。「おまかせください」なのだ。私の出番なのだ。木工パテAで補修できるのだ。初めて使うけれど。
簡単だ、とても簡単だ。初めて木工パテAを使ったけれど、難しさは一切なく、楽しさがある。粘度が高いのでパテが流れ出てしまう、ということは当然なく扱いやすいのだ。自分が思うがままに剥げた部分を補修できる。
他人の家だから、自分の家のキズを補修するよりは緊張感がある。厳密に言うと知り合いの家ではなく、知り合いのご実家なのだ。関係性が遠くなるほどに失敗したらどうしようと思うけれど、木工パテAはそのプレッシャーに打ち勝ってくれた。なぜなら扱いやすいから。
壁のヒビを直す
木工パテAを乾燥させる時間に、別のキズを直す。東日本大震災で壁にヒビができたそうだ。震災後に業者が調査に入り、建物としての問題はないとわかったけれど、ヒビは今も残っている。それも直して欲しいとのこと。「おまかせください」なのだ。
私には「穴うめパテ」があるのだ。これでヒビを埋めればいい。使い方は先にも書いたように簡単だ。付属のヘラでヒビにパテを押し込んでいけばいい。ガラスバルーン配合のため肉やせが少ないのも特徴だ。
もしパテが固い場合は200g当たり小さじ1杯の水を入れてよく混ぜればいいのだけれど、今回の場合は固いということはなく、そのままでなんの問題もなく充填できた。簡単だ。本当に簡単。というかキズがなくなっていく様が楽しい。
もし壁の色と合わなければ、水性・油性塗料で塗装可能だけれど、今回は色が合っていたのでその作業は必要ない。充填して終わりだ。あっという間に終わってしまった。乾燥の時間を除けば、1分で終わった。
家主は「すごい、ありがとう」と私に感謝を述べた。すごいのは私ではなく、穴うめパテ。だって私は押しピンの穴を埋めて、次がこれだから二回目なのだ。二回目でこんなに完璧にできるのだ。初心者でも簡単に扱えるのだ。この場では「私の腕ですね」と言っておいたけれど。
ドアを修繕する
この家では以前、ハムスターを飼っていたそうだ。「さくら」という名前だ。放し飼いにでもしていたのか、ドアをかじられたそうだ。私の場合はそれを「思い出」としてキズをなかったことにするけれど、客観的に見ればキズだ。実際に、ものすごくかじられていた。
ここはかなり凹んでいたので、木工パテAを塗って一度乾燥させ、またパテを充填するという作業を行なった。一度に厚く塗ると割れや肉やせの原因なるからだ。ドアとパテの色が異なるけれど、これは先に書いたようにあとで水性塗料を塗ることにする。
フローリングを補修する(飛翔編)
フローリングに話は戻る。戻るというか乾燥したので次の作業に移るのだ。表面をより平らに、滑らかにする作業だ。ヘラで平らにしていたけれど限界があるので、サンドペーパーを使う。
120番のサンドペーパーでまずは大胆に表面の凹凸をなくす。次に320番のサンドペーパーで滑らかにする。すると色を除くともはやフローリングは復活したと言える。家主も「すごい、完璧じゃない、ありがとう」と言っていた。初めて木工パテAを使い、フローリングの補修をする私でも感謝されるレベルになるのだ。
フローリングを補修する(悲鳴編)
ここまでのフローリングの補修作業はセメダインの「木工パテA」が素晴らしかったからできたことだ。現に家主は感謝を私に伝えている。「完璧」とまで言ってくれている。ここからは私の問題のみで起こったことだ。セメダインも、木工パテAも全く悪くない。
木工パテAはそもそも水性塗料を塗れるし、サンドペーパーで滑らかにしたので色のノリも素晴らしい。ここからが大切なのだけれど、私がこの家の、このフローリングを見て、ホームセンターでこの色だろうという塗料を買って来て塗った。塗料はセメダインのものではないし、そもそも塗料は全く問題ないのだ。でも問題があったのだ。
家主は爆笑していた。全く色が違ったのだ。塗りながら乾燥したら馴染むかな、と思ったけれど、そんなことは全然なかった。でも、わかって欲しいのだ。色を塗る前まで、木工パテAだけの段階では完璧だったのだ。私の色を選ぶ段階にだけ問題があったのだ。
木工パテAも穴うめパテも本当に簡単に自宅のキズを直せる。それを知って欲しい。ただ色塗りは慎重にとお伝えしたい。こうなるから。この結果を受けてなのか、家主の子供(私の知り合い)は、ハムスターにかじられたドアの色は自分で塗ると言っていた。後日写真だけが送られて来た。私よりずっと上手に色を合わせていた。
キズは直せる!
最後の最後で色が全く違う問題は起きたけれど、木工パテAの実力は家主が感謝を伝えるほどだし、穴うめパテもヒビが最初からなかったみたいになるので間違いない。ただ色を塗る時だけは慎重に選んだ方がいい。なんで、記憶だけでこの色だと思って買って、しかも塗ってしまったのだろう。ただ家主は満足してくれたみたいで、お礼にすき焼きをご馳走してくれた。そして、「セメダインのやつすごいね」と言っていた。本当にそう思う。
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※ リンク先は、セメダインのサイトではなく、外部サイトです。
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ライター:地主恵亮(じぬし けいすけ)
1985年福岡県生まれ。2009年より人気Webサイト「デイリーポータルZ」にて執筆を開始。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女(鉄人社)」、「ひとりぼっちを全力で楽しむ(すばる舎)」がある。(全く釣れない)釣りを得意とする。
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