家庭用 2025年06月06日

接着剤の粘度の目安「とんかつソース」!接着剤の粘度が正しいのか検証する

 粘度というものがある。粘り気のようなものだ。接着剤を使う際は、この粘度も大切なポイントになる。流し込みたいならば、粘度が低いサラサラな接着剤を使うべきだし、不安定なもの同士を接着したいならば、粘度が高いドロドロのものを使うべきだ。
 
セメダインの接着剤の一部には「粘度の目安」として、パッケージの裏にその接着剤の粘度を他のもので表現している。「歯磨き粉」とか、「とんかつソース」とか。ただ普段、粘度を気にせずに生きているので、いまいちピンと来ない。そこで粘度を体感したいと思う。
 
粘度の目安
接着剤を使う時はいくつかの点を気にしなければならない。接着できる素材なのか、硬化にどれくらいの時間がかかるのか、強度はどの程度のものなのか、などがそれになる。そして、作業時に気になるのは粘度だ。
どうも、この記事を書いている地主です!
粘度は買うまでわからないと思っていたけれど、セメダインの一部の接着剤を見ていると、パッケージの裏に「粘度の目安」が書かれていた。とても嬉しい心遣いだ。使いたい箇所に合わせて、この粘度を目安にすればいい。
このような感じで書かれています!
粘度が高いものから「歯磨き粉」「とんかつソース」「ガムシロップ」「オリーブ油」「乳酸菌飲料」「水」となっている。実にわかりやすいのだけれど、脳内で過去の自分の経験を検索すると、「乳酸菌飲料の粘度ってどんな感じだっけ?」となった。
 これ乳酸菌飲料です!
 また「ガムシロップ」と「オリーブ油」では、ガムシロップの方が粘度が高いことになっているけれど、どのくらいの違いがあるのだろう? と悩むのだ。普段、粘度を気にせずに生きてきたので、いまいちピンと来ないわけだ。
 これとこれが一緒の粘度です!
 ということで、実験しようと思う。粘度の目安が書かれている5つの接着剤と、それに対応するものを比べ、本当に正しいのか、一番粘度が低いものと、高いものではどの程度の差があるのかなどを調べたいと思う。
 この5つが粘度について書かれているものです!


乳酸菌飲料=3000超スピード
粘度が低いものから見ていきたい。乳酸菌飲料と同じ粘度と示されているのが瞬間接着剤「3000超スピード」ということになる。硬質プラスチック、金属、合成ゴム等を接着でき、5秒で固定される優れものだ。
 3000超スピードは
 乳酸菌飲料と同じ粘度と書かれています!
 見た目では粘度はわからないので、乳酸菌飲料と3000超スピードをそれぞれスプーンで掬ってみた。当たり前だけれど、水よりは粘度がある気がするけど、サラサラと言っても問題ない感じだった。
乳酸菌飲料
3000超スピード
掬う際にスプーンにかかる抵抗感と、垂らした際の流れていく感じがほぼ一緒だった。乳酸菌飲料も3000超スピードも同じ様な軌道で流れて落ちて行った。次に同じ勾配の板の上から流してみた。
 わかりにくいですが、ほぼ一緒!
ほぼ一緒だった。セメダインの粘度の目安が正しいということだ。商品名のように「超スピード」で流れていく。サラサラだから抵抗なく流れていくのだ。ちなみに水はもっと速く流れていった。乳酸菌飲料程度の粘度が欲しいと思った時は「瞬間超スピード」を買えばいいことになる。
一緒です!

オリーブ油=3000KX多用途
次はオリーブ油だ。同じ粘度は瞬間接着剤「3000KX多用途」ということになる。硬質プラスチック、金属、合成ゴム、陶磁器、厚紙等を接着することができる。商品名の通り、いろいろなものを接着できるのが特徴だ。
瞬間接着剤3000KX多用途は、
オリーブ油と同じ粘度と書かれています!
オリーブ油をスプーンで掬ってみる。なるほど、と思う。乳酸菌印象と比べると、格段に粘り気を感じる。流れ落ちる時には時間を要する。重力に抗う感じだ。それは「3000KX多用途」も同じ。重力に逆らう感じがある。
オリーブ油
3000KX多用途
先の「3000超スピード」と比べると、落下する際の線が太くなっている。まとまってから落ちる感じなのだ。そして、同じだった。3000KX多用途とオリーブ油、感触的にも、落ちる感じも一緒だった。
スピード一緒ですね!
坂道も同じようなスピードで流れて行った。やはり一緒なのだ。適度な粘度で使いやすい気がした。しかも多用途なのでその使いやすさもある。とりあえず買って家に置いておく接着剤なら、この商品な気がする。
一緒ですね!


ガムシロップ=3000DXL耐衝撃
ガムシロップと同じ粘度を持つとされるのが瞬間接着剤「3000DXL耐衝撃」だ。接着できるのは金属、硬質プラスチック、合成ゴム等で、衝撃に強く、金属素材によくつく特徴を持つ。
3000DXL耐衝撃は、
ガムシロップと同じ粘度と書いてあります!
オリーブ油とガムシロップではどちらが粘度が高いのか、と気にしたことがなかった。スプーンで掬ってみてわかった。ガムシロップの方が粘度が高い。スプーンから流れ落とそうとしても、最初はツーっとは落ちずに雫になって落ちていく感じだ。
ガムシロップ
3000DXL耐衝撃
ガムシロップも3000DXL耐衝撃も、最初に流れ落ちるまでに同じように時間を要した。坂道での比較でも同じ様なスピードで流れて行った。
同じ感じですな!
このくらいの粘度になると、狭い隙間に流し込むには向かないかもしれない。逆に不揃いで不安定な破片同士をくっつけるには、最適な気がする。それにしても、セメダインの目安、正しいな、驚く。マジで一緒なの。
一緒です!


とんかつソース=3000耐水・耐衝撃
「とんかつソース」と同じ粘度は瞬間接着剤「3000耐水・耐衝撃」となる。硬質プラスチック、金属、合成ゴム、陶磁器、皮革、木材等を接着することができ、耐水、耐衝撃、耐剥離などの特徴がある。
3000耐水・耐衝撃は、
とんかつソースと同じ粘度です!
セメダインの目のつけどころに感動する。ソースはいろいろあるけれど、とんかつソースに目をつけるところだ。ウスターでもオイスターでも中濃ソースでもない。とんかつソースだ。この目安を作る時に社内ではどのような会議があったのだろうか。
とんかつソース
3000耐水・耐衝撃
ここまで来るとあきらかに粘度の高さを感じる。先の「3000DXL耐衝撃」と比べても、あきらかに粘度が高い。それはもうスプーンで混ぜた時の抵抗感の大きさでわかる。また垂らしても一度では落ちていかない。途切れるのだ。仕方なく落ちていく感じがする。
なんなら垂れないまである!
なかなか流れていかない。拒む感じだ。3000耐水・耐衝撃はいいとして、「とんかつソース」は私が今まで気にしたことがなさすぎて、こんなに粘度が高いのか、と驚いた。そりゃ衣に絡むよ。衣に絡ませたいほどの粘度が欲しい時は、3000耐水・耐衝撃を使えばいいということだ。
 一緒です!


歯磨き粉=3000ゼリー状速硬化
最後は「歯磨き粉」と同じ粘度を持つ瞬間接着剤「3000ゼリー状速硬化」。木材、陶磁器、硬質プラスチック、金属、合成ゴム等に接着でき、今までのものにはなかった「ゼリー状」という文字が踊る。一番粘度が高いものになる。
こちらです!
歯磨き粉と一緒の粘度です!
これはもう一発でわかる。とんかつソースと比べても、1段とかいうレベルではなく、粘度が高い。3段くらい上の粘度と言ってもいいかもしれない。スプーンを入れると抵抗がすごい。ゼリーより粘り気がある。なんと言えばいいのか、うん、歯磨き粉なのだ。
歯磨き粉
3000ゼリー状速硬化
もうスプーンを裏返しても落ちない。それほどに粘度が高いのだ。棚に何かを接着する時などはこれがいいように思える。接着する場所が垂直でも、硬化するまでずり落ちていかない気がするからだ。
流れないもんね!
全然スプーンから離れない。もちろん硬化しているわけではない。チューブから出した状態で粘度がめちゃくちゃ高いのだ。スライムとかより全然粘度がある。何に例えればいいか、と考えると歯磨き粉以外考えられない。すごい。
一緒です!


比べてみる
各接着剤の裏に書いてある粘度は確かなものだった。本当にその通りで驚いた。接着剤を買う時に粘度に迷ったら、基本的には台所に行けば解決するということだ。台所で接着剤の粘度はわかる時代なのだ。
比べてみました!(左から、水、乳酸菌飲料、オリーブ油、ガムシロップ、とんかつソース、歯磨き粉)
それぞれを比べたけれど、最後に全てを一斉に勾配のある板の上で流してみた。粘度が低いものから順に速く流れて行った。食べ物の粘度なんて気にしたことがなかったから、こんなに差があるんだと驚いた。
接着剤も同じ結果!
当たり前だけれど、接着剤も粘度が一緒と言われるものと同じ結果になった。これで粘度の悩みはなくなった。やっぱり基本的に粘度は台所で完結する。セメダインの全ての商品に粘度の目安が書かれているわけではないので、ぜひ今後は全てに書いて欲しいと思った。めちゃくちゃわかりやすいから。
一緒で感動しているところ!


粘度は正しい
以前から、粘度の表記があるのは知っていたけれど、目安となるものの粘度を気にしたことがなかったので、これはよいキッカケだった。ガムシロップよりオリーブ油の方がサラサラなこと。オリーブ油より乳酸菌飲料がサラサラなこと。ゼリー状と書かれているものの粘度が高いことなど。全てを理解した。楽しい実験だった。
 これ正しい!!!

ライター:地主恵亮(じぬし けいすけ)
1985年福岡県生まれ。2009年より人気Webサイト「デイリーポータルZ」にて執筆を開始。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女(鉄人社)」、「ひとりぼっちを全力で楽しむ(すばる舎)」がある。(全く釣れない)釣りを得意とする。

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