知識・Tips 2024年12月23日

今こそ行きたい!「ぼーっとするため」に行く能登の旅(ヨッピー)

突然ですがこの綺麗な夕焼けを見てください。
都会に住んでるとビルに囲まれて空が狭いのでなかなかこういう風景って見れないですよね。
 こういう、映画のワンシーンみたいな美しい光景も良いんだよな……。
そして自分が釣った、ちっちゃい魚をしがんでる僕。
 
美しい景色から一転、汚ねぇおっさんの顔を見せつけてすいません。
ライターのヨッピーです。
 
突然ですが、本日は能登の赤崎集落に来ております。
 
実は能登で古民家の宿「TOGISO」を運営する「ぴんぽいんと」さんが80年前のセメダインを発掘した事がきっかけで、「こういうのもあるよ」「こんなのもあるよ」と情報が集まり、セメダイン社内でも「なんだこれ……?」とザワザワする古い商品が見つかったりしました。
瓶入りのセメダインB&セメダインCまで出てきた。
このおかげで「古いセメダインを発掘したぴんぽいんとさんにお礼をしよう!」という事で何故か僕が派遣され、ぴんぽいんとさんが所有する古い蔵の大掃除をしたことがあります。
 
 
この記事で死ぬほど働かされる僕。
 
その後、ご存知のとおり能登では地震や豪雨の被害に遭ったため、「能登でぴんぽいんとさんが元気にやってるか様子を見てきてくれ」という事で、また僕が派遣される事になりました。
そして再びやってきたTOGISOのある赤崎地区。
瓦屋根が落ちたりという被害もあったそうですが、今ではかなり綺麗に片付いています。
 釣りに行く寸前のぴんぽいんとさん(左)と様子を見に来たお父さん(右)。  
ヨッピー
どうですか!その後TOGISOは儲かってますか!
 
ぴんぽいんとさん
全っ然!元気に大赤字です!!!
やっぱり、地震の影響は大きくて、屋根を軽量の耐震瓦に葺き替えたり、建物の耐震補強や補修なんかでお金がすんごい飛ぶんですよ。
 
ちなみに、ぴんぽいんとさんはこの赤崎地集落「海のすぐそば」というロケーションと、外観が統一された街並みを一発で気に入り、東京で暮らしながらこの、赤崎集落で空き家になったお家を自費で買取り、 せっせと修繕する二拠点生活を送っているそうです。
 
ぴんぽいんとさん
やっぱりね、この美しい、古き良き日本の街並み自然の営みをどうにか後世に残したいじゃないですか。
 
ヨッピー
よーくわかりますよ。その気持ちは。
 
ぴんぽいんとさん
でも個人でやるには限界があるね
 
ヨッピー
でしょうね。
 「綺麗な夕日をみる」ためだけにぴんぽいんとさんが改修したデッキ。
ぴんぽいんとさん
こういうのを作ってるとお金がどんどん無くなる!でも、どうにかして残さなきゃいけないから……!
 
ヨッピー
立派だなぁ。
 ぴんぽいんとさん親子が「晩メシを釣りに行く」というので僕も混ぜてもらいました。
 
 
ぴんぽいんとさん
ヨッピーさん、釣りは得意なんでしたっけ。
 
ヨッピー
僕、血筋がすごいんですよ。おじいちゃんはアユ釣りの名人だったし、従兄弟の兄ちゃんはバス釣りのルアー作る会社やってるくらいなんで。完全無欠の釣りエリートです。
 
ぴんぽいんとさん
釣りに血筋はあんまり関係ないと思いますけどね。
 藻が釣れました。
ちっせぇフグが釣れました(リリースした)
ヨッピー
おかしい……。釣りのエリートなのに……。
 
 
そんな風にブツブツ文句を言ってたら、
 
なんと!!!
 
イシダイが釣れた!!!!!
ヨッピー
やった~~~!イシダイだ~~~~~!
 
ぴんぽいんとさん
ちっちゃ!
熱帯魚みたいな事になってる!
 ※「イシダイを前のほうに持ってきたら遠近法で大きく見えないかな?」と思って試したのですが限界でした。
そんな僕を尻目にばっちり釣り上げるぴんぽいんとさん。
釣った魚はぴんぽいんとさんが管理するTOGISOの囲炉裏で豪快に焼く。
これぞ海沿いに住む醍醐味……!
ちなみにTOGISOはぴんぽいんとさんが管理する、古民家を改修したお宿です。
先ほど見せた「夕日が綺麗に見えるデッキ」もあるし、
吹き抜けになっていて天井の高い囲炉裏部屋や、
寝室もばっちり綺麗に改装されております。
能登に来た時はぜひ泊まりに来よう!

「全員空き家を買うべき」というめちゃくちゃ理論

「宴(うたげ)」がはじまりました。
 
ぴんぽいんとさん
どうですか。自分で釣った魚をこうやって囲炉裏で焼いて食べるのは最高でしょう?
 
ヨッピー
デカいイシダイだったらもっと良かったですけどね。食べるところが全然なくて笑う。
 
ぴんぽいんとさん
僕はマジで「全員、田舎の空き家を買った方が良い」くらいに思ってます。特に都市部に住んでいる人は。
 
ヨッピー
なんですかその滅茶苦茶な理屈は。
 
ぴんぽいんとさん
日本人自身がその価値に気付いてないんですよ。美しい海とか、美しい夕日とか、綺麗な海とか、山でも川でも良いんですけど、そういう価値に気付いてないから地方で空き家がどんどん増える。本当にもったいない。
 
ヨッピー
ああ、なんか外国人Youtuberが日本の田舎で空き家を買って、DIYしたりするのが流行ってるらしいですね。「日本では、とんでもない値段で家が買える!」って。
 
ぴんぽいんとさん
でしょう? 日本人がこの価値を理解してないのは本当にもったいないなと思います。この間も外国人のお客さんが来たんですが、「1泊します」って予約で来たのに、気に入って結局1週間くらい滞在していきましたもん。
 
ヨッピー
そう、最近はどこ行っても外国の人多いですよね。「よくこんな場所知ってるな~」と思うようなところにも外国の人が来てる。
 
ぴんぽいんとさん
それなのに今回の地震で「能登の復興は諦めるべき」とか言い出す人なんかが居て、本当に腹が立つんですよね。「この価値を知ってるのか!?」って。
 
ヨッピー
まあ、ぴんぽいんとさんはアホみたいに自腹切ってやってるわけですから腹は立つでしょうね……。
 
ぴんぽいんとさん
それに、都市部の暮らしって、ちょっと息苦しいじゃないですか。なんでもかんでも競争競争で疲れるんですよね。だから田舎で息抜きする時間も必要だと思ってて。
 
ヨッピー
それはわかるな~~~。イベントごとや人気のスポットはとにかく早く行かないと大行列になったり大渋滞になったり。
 
ぴんぽいんとさん
そう。仕事だってもちろん競争だし、都心部でタワマン買うのも競争じゃないですか。そこで競争する楽しさみたいなのもあるから、都会の暮らしを全部否定するわけじゃないんですけど、やっぱりちょっと疲れるんですよね。
 
ヨッピー
その点、田舎に空き家持ってるとちょっと安心しますよね。「いざとなればここがあるし」って。僕も東京で仕事してるけど、奈良の吉野に空き家を持ってるから、「まあ、仕事が無くなっても吉野に引っ越せばいいか」ってちょっと心が軽くなる。
 
ぴんぽいんとさん
そう。僕も「東京に大地震が来ても、能登に避難できるな! 」とか思ってたのに能登のほうが先に地震が来ちゃった。
 
ただ、都会に暮らしながらも、田舎の空き家を買ってコツコツDIYでなおす生活は楽しいですよ。
 
ヨッピー
セメダインを使ってね!
 
ぴんぽいんとさん
そう!DIYやってるとセメダインの接着剤やパテにはめちゃくちゃお世話になる! 実際今回の地震の補修でも浴室のタイルが割れた際にはバスコークは大活躍でした。古民家なので普段から引戸スベリも愛用しています。
 
それで週末は田舎でのんびり、平日は都会でバリバリ、みたいなライフスタイルはすごくバランスが取れてると思うんです。
 
ヨッピー
なんていうか、田舎暮らしには「絶対的な幸せ」がありますよね。その、奈良の吉野の空き家ってもともとおばあちゃんが住んでた家なんですけど、僕の子ども時代の原体験が詰まった家なんですよね。
 
夏は朝ごはんにおにぎりと卵焼き食べて、ひたすら川で泳いで、従兄弟とプロレスごっこしたりカブトムシ取りに行ったり花火したり、蚊取り線香の匂いに包まれながら扇風機の風浴びて寝たり。
 
まさに「ぼくの夏休み」みたいな完璧な夏を過ごしてたんですけど、あれって「絶対的な幸福だな」って思うんですよ。
 
ぴんぽいんとさん
ごめんちょっと意味わかんない(笑)
 
ヨッピー
ちょっと!なんでよ!
 
ええと、例えば「良い家に住む」とか「良い車に乗る」とかで得られる幸せって、相対的なものじゃないですか。「(人に比べて)良い家」だし「(人に比べて)良い車」だし。
 
ぴんぽいんとさん
ああ、それもまさに競争的な側面はあるよね。上を見たらキリがない。
 
ヨッピー
そうそう。競争して頑張って年収あげても、まあ上には上がいるから、完璧な満足ってなかなか無いと思うんです。でもそういう「ぼくの夏休み」的な楽しさは別に競争でうまれるものじゃない、「完璧な楽しさ」がある。
 
 ぴんぽいんとさんが近所のスーパーで買ってきたお刺身も頂きます。とんでもない高クオリティ。
 ヨッピー
さっきの、「もったいない」っていう話に繋がるんですけど、僕がその、吉野の空き家をどうにかして維持したいと思っている理由として、大きいのが「この環境を、どうにか次の世代に残したい」というものなんですよね。失われてしまうのは勿体ないから。
  今年の夏、僕が友達家族など友人多数を引き連れて吉野に行った時の思い出写真。
 ぴんぽいんとさん
ああ……。わかる……。なんとか残したいっていうのは僕も同じですね。なんとかこの風景を残したい。
 
過疎化が進んでる田舎のほうだと、失われていく一方ですからね。
 
ヨッピー
ただまあ、お金はかかりますよね……。
 
ぴんぽいんとさん
うーん、関東圏だと田舎のほうの空き家とは言えけっこう高いよね。関東圏以外ならそこまでアクセスも悪くない、そこそこ状態の良い家が100万円とか200万円とかで売ってたりするけど。
 これまたとんでもないものが出てきた。
 ぴんぽいんと
ただ、空き家を買ってDIYする利点って、家の構造に詳しくなるっていうことなんですよ。例えば「今は都会で賃貸で暮らしてます。いずれは家を建てようと思ってます」みたいな人は、100万円くらいで空き家を買って、自分でDIYしながらあれこれ修繕したりしていると、家の構造に詳しくなるから、自分で家を建てた時の満足度があがるんですよね。家を建てる時って、だいたい1軒目は建てたあとに「ここがよくない」とか「こうすればよかった」とかあとから不満が出て来るから、家をいじった経験があるとそれを防げる。
 
ヨッピー
なるほど。
 
ぴんぽいんとさん
あとはやっぱり、「何も考えない時間」の良さを知ることかなぁ。
僕の場合で言うと海に潜って魚を突いたり、さっきのデッキでぼーっと夕日を眺めたりするする時間がそうなんだけど、実際TOGISOに来て、その「何も考えない時間」を体験してもらって、「田舎の空き家も良いな」と思えるならぜひ行動に移して欲しいです!
 
ヨッピー
とはいえ空き家を買うリスクもありますよね!
 
ぴんぽいんとさん
それはもちろん!今住んでいる家からあまりに遠いと行くのが大変だし、その土地に思い入れが無いと「頑張ろう!」っていう気にならないだろうし、あまりに傷んでるとお金もかかるし、色んな土地や自分の好きな土地に遊びに行って、「ここは良いな~。通いたいな~」と思えるところで、フトコロ事情と相談しながら良い物件を探すのが良いと思います。
 
その辺はTOGISOに来ていただいた時に、僕が居れば相談に乗らせて頂きますので!
 
ヨッピー
よっ!心強い!

能登に行こう!

というわけで今回は能登の赤崎集落に遊びに行ったのですが、「能登、ちょっと遠いな!」みたいなイメージを持ってたりしませんか?
 
実は羽田空港から「のと里山空港」の直行便を使えば片道1時間、1万円~くらいで来れるので、東京からだとそこまで遠くない!
能登空港から赤崎集落へは事前予約制の「ふるさとタクシー」を使えば片道2,100円で行くことが出来ます。

赤崎集落のある、志賀町近くの良いところ

【千里浜なぎさドライブウェイ】
所在地:石川県羽咋市千里浜町~宝達志水町今浜
お問い合わせは石川県羽咋土木事務所まで:0767-22-1225
こちらは、車やバイクで砂浜を走る事が出来る「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」。
東京から車は流石に大変だけど、名古屋や大阪からだと頑張れば来れる距離なので、愛車のカッコいい姿を撮りに来るのも良いかもしれない!
 【和倉温泉 総湯】
所在地:石川県七尾市和倉町ワ6−2
お問い合わせは和倉温泉合資会社まで:0767-62-2221
 そしてこちらは和倉温泉の「総湯」。
1,200年前に湧出した温泉を代々守り続けた施設ですが、近年立て替えられて立派な建物に。
 
サウナ・水風呂も完備した天然温泉にありがたく浸かろう!
 【能登金剛遊覧船 巌門クルーズ】
所在地:石川県羽咋郡志賀町富来牛下巌門
お問い合わせ:0767-48-1261
 あとは能登の美しい海と、奇岩の数々を間近で見られる巌門(がんもん)クルーズに乗るのも良いと思います!
この迫力!


 そして今回お邪魔した、ぴんぽいんとさんが奮闘する赤崎集落の拠点、TOGISOです!
 【TOGISO】
所在地:石川県羽咋郡志賀町赤崎ロ58−1
お問い合わせ:050-3708-1030
ぴんぽいんとさんから一言
 
ぴんぽいんとさん
地震に豪雨もあり、能登は今大変な時期ではありますが、だからこそ色んな方に来て頂くのが大事だと思っています!
のと里山海道など主要な幹線道路は全面開通しましたし、輪島市や珠洲市など被害の大きかったエリアの復興も少しずつ進んでいて、観光客の受け入れ体制も徐々に準備がととのいつつあります。ぜひ能登に遊びに来て、頭を空っぽにして、この赤崎集落の美しい町並みと海に近い暮らしを体験してください!
 

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