ものづくり 2024年05月03日

【波乱】AIが提案してきた「イケてる兜」を2歳児と作ろう

 5月。それは春でもなく、しかし夏と呼ぶにはまだ早く、なんかゴールデンウィークとかもあってかなり楽しいし過ごしやすくていい感じの季節——。
 
そんな5月には、メインイベントと言ってもいい「こどもの日」があります。
 
当方、三姉妹の末っ子として育ったためもっぱらひな祭りにしか着目してこない人生だったのですが、約2️年前に息子が誕生したので最近は「こどもの日」も意識し始めた次第です。
 
しかしながら、具体的にこどもの日って何すんの? ドッジボール……?
 
こういうときは、この世で随一の激ヤバ便利ツールである「ChatGPT」にこどもの日のことを聞いて、今年はとことん楽しんでみよう!!!
 
※注意※ この記事には私の部屋の写真が掲載されていますが私の部屋はマジで散らかっているので「マジで散らかっている部屋は苦手…」という方はこの記事の代わりにセメダイン公式ホームページをご覧ください。

1.ChatGPTに頼ろう

 さっそく我が家のCahtGPTに、「こどもの日ってどんな日?」と聞いてみます。すると、以下のような答えが返ってきました。
 

 こどもの日は男の子の行事だと思いこんでいましたが、男女問わない行事という位置づけなんですね。各々、思い思いのやつをやってこう。最高の、笑顔が絶えない、OnlyOneのこどもの日ってやつをさ。
 
ChatGPTはこう続けます。
 
“特に男の子の家庭では、こどもの日にかぶとを飾ることがあります。かぶとは、古代からの武士の兜であり、男の子の成長や健やかな成長を願うシンボルとして使われます”
 
兜。あの、武士とかがかぶってるやつ。仮に上空から落ちたときに地面にあれがあったら絶対痛そうなことでお馴染みのやつです。たしかに子どもが通う保育園でも、5月頃には入口に飾られていることを思い出しました。
 
我が家ではクリスマスツリーとか、お正月の鏡餅とか、そういう装飾品を飾る文化が一切なく、このままでは文化的なものが何もわからないまま大人になってしまうのではないか……これではいけない。今年は何かしらを飾りたい!
 
でもせっかく飾るんだったら、イケてるやつを飾りたい!!!
 
ちなみにチャッピーが思う、「イケてる兜」ってどんなものなんでしょうか?(※唐突にChatGPTのことを「チャッピー」と呼び始めています)
 
“以下は、一般的にイケてると思われる兜の特徴です。
1.デザインの洗練: 兜のデザインが洗練されており、美しくバランスが取れていることが重要です。
2.装飾の豪華さ: 豪華な装飾や金属細工が施されている兜は、イケてるとされます。
3.カラーリング: 鮮やかな色彩やコントラストのあるカラーリングが特徴的な兜は、目を引きます。
4.個性とアクセント: 個々の兜には、持ち主の個性や趣味を反映したアクセントがあると、より魅力的に映ります。”

持ち主の個性や趣味を反映した兜。つまり、オンリーワンの兜ってわけか……。槇原敬之も「No.1にならなくてもいい」って言ってたもんな……
こうなったら、世界に1つだけの、イケてる兜を作ってやろうやないの!

2.イケてる兜を2歳と作る

 こちらが我が家の2歳児になります。

 以下は、彼の主な1日の発言回数(体感)ランキングです。ご覧の通り、疑いようのない圧倒的イヤイヤ期になっております。
 そんな子どもと、ChatGPTに聞いた手順で兜を作っていきたいと思います。一体どうなっちゃうの~!?
 
さっそくChatGPTに言われたとおりに材料をそろえました。 
 上記の他に「ノリやテープ」と指示がありましたが、今回は「セメダインC」を使っていきます。セメダインは絶対に子どもの手の届かないところで、安全を確保しながら、大人が責任を持って使用していきます!!!
 子どもに「今日は一緒にかぶと作ってみよっか」と声をかけると「うん、いいよ~」と結構乗り気。かぶとのこと知らないのに。
 いよいよ、ChatGPTの言うとおりに作っていきます。
ここまで大事なことをお伝えしていなかったのですが、筆者の中学のときの図工の成績は「2」ですのでよろしくお願いいたします。
 
”紙皿を取り、その中心に小さな穴を開けます。これには穴あけパンチや鉛筆などを使うと便利です。この穴に後でヘルメットの前になるペーパーカップを取り付けます。”

紙皿に穴を開ける。最後の文「ヘルメットの前になるペーパーカップを取り付けます」の意味が何度読み返しても全然わからない。「前になる」って何? 一旦無視します。
 ちなみに設備が脆弱な我が家には穴あけパンチも鉛筆もないので、コルクを抜くこれをぶっ刺して開けました。こちらも非常に危険な道具ですので、確実に子どもの手の届かないところで私が責任を持って使用しております。炎上させるのはお止めください。
 
次の手順に行きます。
”ペーパーカップを取り、それをヘルメットの形にデコレーションします。ペイントやクレヨンで絵を描いたり、テープや紙で模様を作ったりして、お子様の好みに合わせて飾り付けします。”
ヘルメットの形に……デコレーション……? ヘルメットの形?
 
すでにちょっとついていけてないのですが、「デコレーションしていく」という事実だけは揺るがないので、取り急ぎ子どもに手伝ってもらいます。
 
私「(紙コップを手渡し)ここに絵描いてみて」
子「やだ
 紙コップを見ようともしない。なんなら完全に敵視している。

私「好きな色使っていいよ」
子「やだ」
私「楽しそうだよ、ここに描くの」
子「ママ、サメ描いて
 
子どもは空前のサメブームが来ており、結果的になぜか私がサメを描かされることになりました。まさか、人生で紙コップにサメの絵を描く日が来るなんて思ってなかったな。前略 お母さん。お元気ですか?私は紙コップにサメの絵を描いています。
これがサメ? 
 
さかなクンはこいつも研究対象にしてくれますか?
 子どもは途中一瞬だけやる気になって、この水色のぐちゃぐちゃだけ描いてくれました。
次の手順にいきます。
 
“紙皿をペーパーカップの下に置き、穴を合わせます。そして、ゴムバンドで紙皿とペーパーカップを固定します。ゴムバンドは穴を通して、紙皿の下から上に通します。これにより、ヘルメットがしっかりと固定されます。”

紙皿と紙コップを組み合わせていく工程だそうです。
ゴムバンドがないためビニール紐で代用したのですが、
 えっ?
これが、兜になるの?
そんな大どんでん返しが起こるなんてありえる? VIVANT?
 
ここから先の未来はもう、ChatGPTに託されている。固唾を飲んで次の手順に進みます。
兜の周りにさらにテープや紙を使って模様を追加し、華やかさを増します。また、リボンや飾りを付けて、より豪華な見た目に仕上げることもできます。”
ここも子どもといっしょにできるゾーンです。
 
今回は、子どもも大好きな恐竜と、虹のイラストが書かれた非常にかわいらしいマスキングテープを入手しましたので、これを貼っていきます。
 
子どもに手渡すと「きょうりゅうだねえ」と喜んでいます。
 グチャ……
 ペタリ……
 貼れました。

子どもが貼ったぐちゃっとしたシールほど、愛おしいものはない。
 その後、「母親の腹の上でしばらく正座する」というChatGPTも予測不能な工程が追加されたりもしましたが……
ついにデコレーション……デコレーション? まぁデコレーションか…… が、完成しました。デコレーション?
 これは何?

いや、でも子どもに被ってもらったら、兜っぽさが劇的に増す可能性もある。
しかし子どもはすでにめちゃくちゃ飽きている!
 私「この兜かぶってほしいんだけど……」
子「やだ」
私「お願いお願い、一瞬で終わるから!」
子「やーだーよー!」
子どもは寝室へ逃げる!
 様子を見に行くと、完全に寝ている。眠かったからちょっと機嫌が悪かったっぽい。2歳児ムズすぎる。
制作を一時中断します。
 
~2時間後~
昼寝から目覚めた子どもに「お願いお願いお願いこのあとじゃがりこあげるから!ほんと一瞬だけ!頼む!本当にあげる!じゃがりこ!」と実の親のこんな姿見たくないだろというほどの必死すぎる説得を行い、渋々被ってくれたのですが、
 
えっ……?
 これが、私たちが夢見た未来?

戦国武将にこれを兜だと伝えたら「さすがに草」と言われてしまうのでは?
 (約束のじゃがりこもあげました)

3.もっとすごいChat GPTに頼る

 聞くところによると、ChatGPTにもグレードがあるらしい。私が使っていたのは無料版「3.5」というバージョンなのですが、有料版にアップグレードするとその上の「4.0」というやつが使えるのです。もし4.0に同じ質問をしたのなら、もっと厳密な制作方法を教えてくれて、次こそは最高にイケてる兜を作ることができるのでは……。

というわけで、さっそくChatGPT4.0にも同じ質問を投げかけてみました!

あと既にお気づきの方もいるかと思いますが、先程の作り方だと材料に「のり」と出てきているのに実際の工程では出てこなかったりといったこともあるので、今回は「セメダインを使って、子どもといっしょにかぶとをつくる方法を教えて」と聞いてみます。
 
材料はこちらです。

 この段階で、さっきとは提示されているものが違うことに驚きます。
 ちなみに写真左下に紛れこんでいるのは、子どもお気に入りの「清掃車」と「ミキサー車」のトミカです。写真を撮っていたら無断で置き逃げされてしまったのですが、かぶと制作においては不要ですのでご安心ください。
 
いよいよ制作に取り掛かります。まずは1つ目の手順です。
 
”厚紙を半分に切り、片方を兜の前面に、もう一方を兜のトップになるように形を整えます。”
 
初手から、「形を整えます」というだいぶこちらの想像力に委ねられた手順に焦る私。
ひとまず、厚紙を半分に切ることは確実ですのでその通りに進めます。
 これの片方が「前面」、もう片方が「トップ」になるらしいが、マジで何を言っているのかわからない。そもそも私は兜のことを知らなすぎることにも気が付きました。兜の画像を検索してみます。
ニュアンス的に、この、ビロビロが垂れ下がるあたりが「前面」なのか……?
そして、ここのなんかすごい豪華なところが「トップ」……?
 
正解は誰にもわからないので、一旦そうだと仮定して、自分を鼓舞して進めます。
 私の想像する「前面」と「トップ」っぽいものが、疑問とともにできました。
 
 
次の工程です。
 
”色紙を切って、兜の前面やトップに貼り付けるために、セメダインを使用します。セメダインは強力な接着力を持っているため、色紙がしっかりと固定されます。この作業は大人が行います。”
 
 
またしても「貼り付ける」ことしかわからない、だいぶ抽象的な手順が書いてあります。
 
とはいえ最高のこどもの日にするためにやっていくしかない。まずは「色紙を切る」ということで、せっかくだから子どもに好きな色を選んでちぎってもらうことにしました。
 
私「どの色がいい?」
 
子「オレンジ!」
 元気よくそう言うと、私からオレンジの折り紙を半ば奪い取る形で、ビリッビリにやぶき始めます。頼もしいぜ。
 木っ端微塵。なめろうと同じくらい粉々になりました。
 
金色の紙も追加でちぎってもらい、セメダインでひとつひとつ貼り付けたところ、こんなに華やかな装飾ができました!
(何度も言いますがセメダインは大人が取り扱っています!!!!!)
 次に行きます。
 
”兜を頭にしっかりと固定できるように、紐またはゴム紐を取り付けます。この際も、紐の端を兜にしっかりと固定するためにセメダインを使用します。兜のサイドに紐を固定する部分にセメダインを塗り、紐を固定後、完全に乾燥させます。”
 
うっかりしていて輪ゴムを購入し忘れたため、私の髪の毛を結ぶ用のゴムで代用します。このように、トップとなる厚紙を丸めて端と端をゴムで繋げるように留めたら……。
(セメダインで留めたあと、上からテープをさらに重ねています)
 ゴムが伸び縮みするおかげで、子どもの頭にぴったりなサイズで装着することができました。
つけ麺屋の店主がタオルを巻いているかのような貫禄を醸し出すことにも成功です。
 次です。
 
“マジックや色ペンで、兜にさらに装飾を加えます。たとえば、兜の鍬形(前立ての形)や縁取りを描き入れます。細かい装飾や追加のパーツを取り付ける場合も、セメダインを使用して固定することができます。”
 
言われた通り、装飾を加えていきます。
 
ここでも子どもに登場してもらい、まずは「トップ」にイラストを描いてもらいます。今回はかなり乗り気で、様々な色のペンを手に取って線を描いていく。
「これは黄色いサメ、これはピンクのサメ……」と、彼なりのサメを描いているようです。
 続いて、「前面(耳あたりに垂れ下がってるビロビロのやつ)」にも装飾を施してもらいます。こちらも順調に進んでいきますが、
子「ママ、サメ描いて~」
またしてもペンを託されてしまいました。
 最終的に、合計12匹のサメを描かされました。こんなに描いてるのに画力が向上しなすぎる。
 
終わってるサメもたくさん描けたところで、いよいよパーツを組み合わせていきます。
 
子どもの手の届かないところで、セメダインを使って、トップと前面をくっつける。
 しっかりセメダインを塗り、
しばらくおさえる!
 
そしてついに……。
 完成です!(バァーン!)
左側も見てください。カラフルでめちゃくちゃいい感じです。
 
AIと2歳児と34歳OLの合作。タイトルは何にしようかな。「躍動」?
ChatGPTの指示はだいぶこちらの想像力を働かせる必要がありましたが、最初に作ったものと比べると、かなり、思ったより兜では??? え、そんなことない??? どう???
 
図工の成績「2」の人が作ったというバイアスをかけて見てみて??? だいぶ上手にできたと思いませんか????
 
さっそく子どもに被ってもらおうと思ったのですが、
 ~昼寝Time~
 
 
昼寝Timeに入ってしまいました。2時間休憩です。
 
 
~2時間後~
 
昼寝が終了し、子供本人に兜を見せてみると「これ誰?(※我が子は最近すべての物の名前をこうやって聞いてくる)」と興味がある様子。
 
また「お願いお願いお願いほんと1回だけ頼む頼む頼む」と引くほどお願いしまくってかぶってもらったところ、
 なんかそれなりにカッコイイ!
 
これだけ見たら、まさか「トップ」と「前面」が曖昧な状態で制作されただなんて誰も思わないですし、側面にエグい画力でサメが描いてあることにも気づかれないでしょう。

4.まとめ

 ① 2歳児との制作は大変
 
やはり2歳児と共に何かをやるのは予想外(※)のことがたくさん巻き起こりますので、大人が1人で何かをやるのとはわけが違う、というのが率直な感想です。
 
しかしながら、「だからこそ面白い」部分もあったと思いますので、心と時間に余裕があり、かつ外は雨で外出もできない……といったときなどにはこうした大掛かりな制作を家で行うことは非常におすすめです!
 
(※)…腹の上に正座する時間が差し込まれる 等
 
② ChatGPTの指示はだいぶ曖昧
 
もっと具体的にわかりやすいものが出てくることを想像していましたが、「兜の制作」というマイナーなことをお願いしたばっかりにかなり曖昧な表現が多発していました。忘れかけてたけど1個目の兜、あれなんだったの?
 
こちらの想像力に委ねられる部分も多々あるので、頭の体操としてもおすすめです。
 
 
③ イベントを大事にする心を取り戻せた
 
1年の中には様々なイベントや行事がありますが、正直その中で「こどもの日」って影が薄い存在でした。例年、特に何もせず、柏餅がセールになってたら買うくらい。
 
ですが今年をきっかけに、「子どもといっしょに兜を制作すること」を我が家では恒例行事としてお祝いするのも良いな~なんて思ったりしました。
 
みなさんもぜひ、AIが提案してきた兜を作って、こどもの日を楽しく過ごしてみてください!!!!!!
 
以上

 

ライター:しりひとみ
会社員ライター。著書『ママヌマ~ママになったら沼でした~』(大和書房)を2022年に出版。学年イチのモテ男に「おもしれー女」と言われることを目標に文章を書いている。ペンネームは「ひとみしり」を並び替えたものだが最近克服しつつあり、「本当に人見知りなんですか?」と聞かれるたびに「すみません」と思っている。

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