ものづくり 2025年07月31日

木工用接着剤をライトにしたら机が工事現場みたいになった

ある日見かけたソフトクリーム型の卓上ライト。おしゃれでかわいい。作りたい。だが、工作好きなら、もっと身近なものをライトにしたらいいのでは?そう、木工用接着剤のボトルだ。これを光らせ、ライトを作ってみよう。
 
まずは完成形を。ひねるとつくおしゃれなルームランプです。

空ボトルにLEDライトをいれたらランプになるのでは

ソフトクリーム型のライトというのは下の画像のような物。プラのガワの中に電球が入っているだけのシンプルな構造に見える。

ソフトクリーム型のライトというのは下の画像のような物。プラのガワの中に電球が入っているだけのシンプルな構造に見える。
これなら木工用接着剤で作るのもシンプルでいい。接着剤の容器を空にし、中にLEDライトを仕込むだけだ。スイッチはよくある懐中電灯的な、キャップをギュッとしめるとライトが付く仕組みにしよう。

接着剤をにゅるにゅる出す背徳感

さて、なにはともあれ空のボトルが必要だ。木工用接着剤の中身を出し、水洗いする。ほぼ新品の接着剤を両手で握り、にゅるにゅると絞りだす感触はなんともいえない。いけないことをしているような背徳感と興奮を感じながら、もったりとした生クリームのような手ごたえを味わった。
はじめは口金から出していたが、途中から口金を外して出す方式に。

便利なのはどれ?いろんな容器に詰め替えてみる

使うのは中身とはいえ、出したものを捨てるほど豪快でも富豪でもない。出した中身は詰め替えて使う。前に知り合いの大工は「詰め替え用の袋入りの接着剤を買ってマヨネーズの容器に詰め替えてるよ」と言っていた。やってみよう。
 
他にも詰め替えると便利な容器はないか試してみたい。調べていたらみずのりの容器に移し替えるという例があった。他にもよさそうなものを100円ショップで見繕ってみた。マヨネーズ、みずのり、油入れ、スポイト、小分け容器。100円ショップの詰め替え容器の充実度がすごくて感動した。美容コーナーと旅行コーナーがおすすめです。

 上の段左から、みずのり、油入れ、マヨネーズ容器、スポイトボトル、使い切り小分けチューブ
マヨネーズの容器はきれいに5本線で塗れる。確かに家具など接着面が大きい時には重宝しそうだ。他に良かったのはみずのり容器。接着剤がつまって出ないのではと思ったのだが意外にスムーズに出た。筆者はペーパークラフトを作る際には木工用接着剤を竹串で薄く伸ばして塗っていて、作業性がいまいち悪かった。これからはみずのり容器に入れて使おう。
上からマヨネーズ容器、油入れ、みずのり
残念ながらスポイトボトルはうまく吸えず使えなかった。一方、使い切りチューブはきれいに小分けできた。イベントやワークショップで便利そうだ。ただ、どの容器も乾いて使えなくなったり、漏れたりといったリスクは当然ある。公式に推奨はされないので、やる場合には自己責任でやろう。

LEDライトを仕込む

本筋に戻ろう。洗った容器が乾いたら、いよいよ中にライトを仕込んでいこう。USBの口に直接差し込むタイプの、市販のLEDライトを分解する。USBケーブルにつなぎ変え、3Dプリンターで固定具を作り、ボトルの内側にライトを仕込む。

ふたをしめるとライトが光るようにする。本体につける口金と、蓋の内側にアルミテープをつけ、接触すると電気が通る仕組みに。細かいところだが、接触が微妙で付いたり消えたりしないよう、蓋の内側にばねを仕込み、ぎゅっとしめると確実に導通するようにした。

いざ点灯!木工用接着剤はおしゃれルームランプになれるのか?

いよいよ点灯させます!USBをつなぎ、ボトルをひねると…輝く!ボトルで光が拡散していい感じ。黄色い光で周りをやさしく照らす様子はさながら癒し系ナイトランプ。
やさしさ宣言されているだけあって、ランプになってもやさしい
しかし、ソフトクリームのルームランプより、むしろなにかを彷彿とさせる…。特に輝きの強い白いボトルの方…。夜道路工事で見かけるあれ、そう、バルーン投光器!

工事用の照明みたいだったので工事現場風にした

バルーン投光器とは、工事現場でよく使われている、光り輝くクラゲのような照明。
筆者はバルーン投光器が使われている工事現場に妙に心惹かれ、見かけるとつい立ち止まって眺めてしまう。夜の暗闇に浮かび上がる明るい光と、その周りで働く特殊な機械や作業員の姿。なぜかワクワクするのだ。
一時期バルーン投光器型の卓上ライトを探していたこともあるのだけど、見つからず断念。今回、木工用接着剤のボトルをライトにしたことで、思わず夢がかなった。

むらさき:ライター・デザイナー。 電子工作やデジタルファブリケーションを駆使して、生活をちょっとへんてこでちょっと便利にする(かもしれない)ものを作っては記事を書いている。
現在は、三浦半島の先っぽで自宅をメイカースペースとして時々開放しつつ、自分のものづくりをしたり、人のものづくりを応援したりしている。 

関連記事

PAGE TOP

コピーしました