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ものづくり
2024年04月08日
「速乾Gクリア」を使って、「速乾Gクリア」のぬいぐるみを作る。
ぬいぐるみ作りの相棒「速乾Gクリア」
私は去年の秋頃からぬいぐるみ作りにハマっている。家電や文房具など、身近なもののぬいぐるみを作っているのだが、そのときに役立っているのがこの「速乾Gクリア」である。
ぬいぐるみのほとんどの装飾はこの「速乾Gクリア」でつけているのだ。
透明な接着剤なので、ちょっとはみだしても目立たないところが良い!加えて接着力も強く、ぬいぐるみ作りに欠かせないアイテムだ。
私は以前人形劇団で働いていたのだが、小道具を作るときによく「速乾Gクリア」を使っていた。くっつけるだけでなく、接着剤をそのまま固めて、涙などの濡れている表現に使うこともあったのだ。
ある日、次のぬいぐるみは何を作ろうかな〜と考えていたときにはっと気づいた。
そうだ、「速乾Gクリア」のぬいぐるみを作ればいいのでは!?
「速乾Gクリア」を使って、「速乾Gクリア」のぬいぐるみを作ろう!!絶対にかわいい!
文字が大変そうだけど、合皮を切って貼り付ければ作れるはず。
せっかく作るなら枕ぐらいの大きさにしたいなぁ〜。接着剤って基本的に強く握ってはいけない物だけれど、ぬいぐるみならいくら抱きしめても大丈夫だし……。
そして、試行錯誤のうえ出来上がったのはこちら。
かわいい抱き枕ができた〜!これでいくら強く抱きしめても大丈夫な「速乾Gクリア」が誕生だ!!どのように作ったのか早速説明していこう!!
「速乾Gクリア」のぬいぐるみをつくる
まずは設計図を描くところから。いつもぬいぐるみを作るときは必ず描いているのだが、ここが一番重要な作業だと思っている。
大きさが決まったら、中身のウレタンを切り出していく。 私はぬいぐるみ作りで、このウレタンという素材をよく使っている。綿を詰めるより、形が作りやすいのだ。 ここは必ず新品のカッターの刃を使うのがポイント。新品じゃないと全然切れないのだ。 冬は静電気がすごいので、至る所に張り付いてしまう。そのまま体に張り付いた状態で移動すると、他の場所にもウレタンを撒き散らすことになり、トイレから風呂場までウレタンまみれに……!仕舞いには、服の中にもウレタンが入り込んでくる始末。 掃除は大変だけど、作業としてはトリマーみたいな気持ちで楽しい。ペットの毛並みを整えているようで、だんだん愛着が湧いてくるのだ。 次は布で包んでいく。私がぬいぐるみ作りで一番好きな作業である。 今回は抱き枕にしたいのでタオル地の布を選んだ。伸縮性のある生地を使い、ウレタンを包んでいく。 文字が無いと歯磨き粉みたいだ。歯ブラシも作りたくなってきたが、あくまで接着剤なので早く文字をつけてあげよう。文字は合皮で1文字ずつ切っていく。 印刷した文字を合皮に重ねて、ハサミで丁寧に切っていく。 2文字切り出した時点で、「あ、これは信じられないほど時間がかかる作業だな」と確信を得た。でも、始めたからにはやるしかない……!!
「ゴ」の点々は絶対なくしそうなので、後でつくることに。
職人技!!すごいぞ私!!
だんだん無心になってきた。多分禅と同じ効果がある。
文字を切っているだけなのにかなり体力を消耗している。もはやスポーツと言っていい。
といいつつもなんとか切り出し終了!
ここで役に立つのが速乾Gクリアである。
どの接着剤にも言えることだが、使うときは優しく握ることが肝心である。「速乾Gクリア」は強く握ると勢いよくドバッと出てきてしまい、しばらく止まらなくなる。楽器のように丁寧に扱うのが基本中の基本なのだ。
すぐに乾くので本当に少量ずつ出して使う。この速乾性の高さがGクリアの魅力!!
写真ではキレイに見えるかもしれないが、実際は結構接着剤がはみ出してしまっている。
でも「速乾Gクリア」は透明なので全然目立たないのだ!!ありがたい〜!!やっぱりぬいぐるみ作りには「速乾Gクリア」だよね。
「速乾Gクリア」といえば水色である。こちらもタオル地の生地を買ってきた。
そんなこんなでなんとか完成!!
文字を切って貼る作業は合計8時間かかった。山を登ったような達成感である。高尾山を登って降りてくるより時間がかかっているのだ。手をかけて作ったので、もはや我が子のような気持ちである。
寝転がりながら本を読むのにぴったり。ちょっと固めなのも良い感じである。
今後愛用していこう!
さすがに実物大の文字を合皮で切り出すことは出来なかったので刺繍した。文字が歪んでいるところが、あどけなくてかわいい!
カフェでぬい撮り
普段からぬいぐるみと一緒にお出かけしている私。「速乾Gクリア」とも一緒にカフェでぬい撮りしに行こう!
「速乾Gクリア」を抱いていたからか、何も言わなくても広い席を案内してもらえた。人1人分の存在感を放っている。
隣に大きいぬいぐるみがあるととても良い。「速乾Gクリア」がいると安心する……!
個展にてお披露目
ちょうどぬいぐるみの展示をするタイミングだったので、「速乾Gクリア」のぬいぐるみもお披露目することに。
接着剤は火気厳禁なので、ヒーターのぬいぐるみとは離して置いておいた。
どんな反応が来るのか楽しみ!!
文字を切るところが一番頑張ったところなので、見てくれてうれしい……!
今回、細かい文字があるものはサイズを大きくすればいいということを学んだ。今後作るもののサイズ感がどんどん大きくなるかもしれない。
「パンパンに中身入ってるね!!減ってきたバージョンのぬいぐるみも見たいな。下からくるくる巻いたりとか」と言われた。確かにそれもいい!!
「セメダ飲!」と言っていた。かわいい。セメダイン社員さんの飲み会で乾杯のとき言ってそう。
私の個展では定期的に妖怪が在廊するので、妖怪にも持ってもらった。
「いろんなものを接着剤で固定する」というごっこ遊びをしていた。接着剤でも遊べる子どもすごい……!!ときにはヒーターのぬいぐるみに燃料として接着剤を入れようとしている場面も。本物でやったら絶対だめだよ!!
みんな写真を撮ってくれたり、遊んでくれたりしてうれしい!「速乾Gクリア」のぬいぐるみをお披露目できて満足である。寝るときの枕にするんだ〜!と言ったら、朝起きたらくっついてそうと言われた。確かに……。
会期中欲しいという人がいたが、「セメダインさんの商品化に期待ですね」と言ってさらりと流しておいた。今回作った「速乾Gクリア」ぬいぐるみはかなり愛着が湧いているので、誰にもあげないつもりである。
これからもぬいぐるみ作りの相棒として、「速乾Gクリア」を使っていこう!!そして、疲れたら「速乾Gクリア」を枕にして寝よう。
ライター:とりもちうずら
ものづくり系ライター。2021年より「デイリーポータルZ」で執筆活動を開始。家電など、身の回りのもののぬいぐるみを作っており、部屋全部がぬいぐるみでできた空間をつくることを目標にしている。イカをこよなく愛しており、特にコウイカが好き。2022年から、相棒の妖怪化けわらじと一緒に国内外を旅している。
Instagram:https://www.instagram.com/torimochiuzura
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