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ものづくり
2023年12月08日
技術力の低い人のロボコン「ヘボコン」を観にいったら予想以上にヘボすぎた
pato(ライター)
テキストサイト管理人。テキストサイトNumeriを運営する傍ら各種メディアで取材記事やコラムなどを執筆している。
テキストサイト管理人。テキストサイトNumeriを運営する傍ら各種メディアで取材記事やコラムなどを執筆している。
みなさんこんにちは。本日は渋谷にあるイベントハウスTOKYO CULTURE CULTUREに来ています。
かなりオシャレな空間で、普段はトークライブなどが行われている場所のようですが、今日はちょっと様子が違うということで、またセメダインさんに呼び出されてやってきました。
セメダイン
patoさんこんにちは。また来ていただけたようで嬉しいです。以前に小学生ロボコンの全国大会を観戦してもらいましたが、いかがでしたか?
そう、今年の三月に行われた小学生ロボコンの全国大会のレポートを行ったのですが、これが大変に好評で、じゃあ他のロボコンイベントもレポートしてくれんか、となったわけなのです。
pato
小学生とは思えない確かな技術力、小学生らしい柔軟で無邪気な発想、予想以上に熱い試合展開、とても素晴らしい大会でした
セメダイン
今回は、小学生ロボコンとはうって変わって、もっとヘボいロボコンを観てもらおうということで来ていただきました
pato
へ、ヘボい……!?
セメダイン
はい、ヘボいです
僕の記憶が確かなら「ヘボい」ってけっこう、相手を悪く言う言葉な気がするのだけど、セメダインの人は「ヘボいヘボい」連呼しているし、イベント準備のスタッフの皆さんも「ヘボいヘボい」連呼しながら会場設営をしている。はやめに会場入りした選手の皆さんも、「ヘボい」と罵られて喜んでいる。このへんはなんか怖かったな。
とにかく、ヘボいを前面に押し出したロボコンであることは分かりました。今日はそのヘボいロボットが続々と出てきて戦う大会のようです。
それではこのヘボコンというイベントについて少し説明しましょう。
ヘボコン
デイリーポータルZが主催する、技術力の低い人のためのロボット相撲大会。まともに動かない、できの悪いロボットが集まって戦う。2014年にヘボコンマスター石川氏(デイリーポータルZ)が企画し、第1回大会が東京で開催され、現在では、海外で大会が開かれるなど、世界での注目も高まっている。
pato
いくらヘボいといっても、そこそこには技術力の高いロボットが出てくるんじゃないですか? じゃないと大会が成立しないですよ
セメダイン
そこは観戦してのお楽しみですね。本当にヘボいですから
この会場にいると「ヘボい」が誉め言葉みたいな錯覚に陥ってくる。絶対にヘボいってけっこうな悪口なのに。
このヘボコン2023のゴールデンスポンサーは我らがセメダイン株式会社。ちなみに、小学生ロボコンとこのヘボコン、両方のスポンサーになっているのはセメダインだけのようです。本家本元の高専ロボコンの方もスポンサーになっているので、おそらくセメダインは「コン」がついていればなんでもスポンサーになる。そのうち街コンとかコンカフェのスポンサーになる。
会場の隅にあるセッティングゾーン、その片隅にゴールデンスポンサーのセメダイン株式会社より、セメダイン製品の無償提供がありました。不測の事態でロボットが壊れた場合など、修理に使ってくださいね、という粋なサービスです。
pato
いくら接着剤が使い放題といってもなかなか使う人はいないでしょうね。みんな万全のセッティングを施してやってくるはずですからね。競技の中で壊れたりして使う人はいるかもしれませんが、いきなり使う人はいませんよね
開場から1分で使っている人がいました。
まだなにも始まっていないのに。まだなにもしてないのに。すでに壊れている。これがヘボコンだと言わんばかりの使いっぷりだ。
全体的な雰囲気を眺めていると、まだ何も始まっていないのに、セッティングゾーンでロボットを直したり、改造したりし始める人が続出。修理というよりは、接着剤が無料なら使わなきゃ損だろといった勢いでした。なんで始まってもないのにこんなに接着剤を使うんだ。
そんな不安を抱えながら眺めていると、あれよあれよという間にイベントが始まりました。司会進行MCはデイリーポータルZのヘボコンマスター石川さんと古賀さん。
ゲスト審査員はギャル電さん。電子工作をするギャルユニットとして活躍中。自身もヘボコンの出身であり、ぶっとんだヘボロボットで世界大会に出場、もっとも栄誉ある最ヘボ賞を受賞。第1回のヘボコンにおいて朝日新聞のインタビューで答えた「線をつなげば意外と動くよ」はヘボコン界の名言としていまだ語り継がれている。
もう一人のゲスト審査員は、金田さん。3月に行われた小学生ロボコン全国大会において優勝したトロピカルインコチームのリーダー。小学生ロボコンでは正確無比なスナイプ能力を持ったロボットで会場を騒然とさせた。現在は小学校を卒業して中学生となり、中学生ながら埼玉大学大学院理工学研究科小林ラボに所属し、研究を行っている。この会場で唯一、ヘボくない存在。
会場は超満員。みんなヘボいロボットが好きなんですね。
セメダイン
さて、いよいよ始まるわけですが、わたしたちもちょっとpatoさんだけでは不安だなーと思いまして、ロボットやヘボコンに詳しい方をお呼びしました。
pato
賢明な判断です。たしかに、僕だけだったらまずいですもんね。あまりにヘボいロボットたちに悪辣な悪口を言い続けるだけになりかねませんからね
科学技術館で学芸員を務める傍ら、小学生ロボコンにおいて審判や審査員なども担当。デイリーポータルZなどのインターネットメディアや記事にも造詣が深く、狂ったように鉄道に乗ったり狂ったように歩く取材がモットーのpatoがなぜヘボコンの取材に来ているのかをずっと気にしていた。
松浦さん
さて、今年もヘボコンがやってきましたね。小学生ロボコンとは別の熱さがある大会なので楽しみです。
松浦さんは本当にデイリーポータルZやヘボコンが好きなようで、語りだすと止まらない。
さっそく、ルール説明が始まります。
pato
ルール説明の画面もヘボい
対戦フィールドの大きさは横100㎝、縦50㎝の長方形、相撲によってフィールドから出るか倒れたら負け、ただし浮いている部分はフィールドから出てもOKとのことです。
松浦さん
基本的にはロボット相撲ですが、ヘボコンならではのルールもあります。あまりのヘボさに相撲として機能しないことがありますので、1分経過して決着がつかない場合、スタート地点からより動いた方が勝ち、同じくらい動いた、どちらも動かなかった場合は観客の挙手によって勝敗を決めるなど、独自ルールがあります。想像する以上に相撲が成立しない、それがヘボコンです。ただ、相撲の勝ち負けはそうたいした問題ではなく、どちらがよりヘボいか、どうヘボさをアピールできるか、それが重要になってきます。そもそも……
松浦さん、このトーンでめちゃくちゃ熱く説明してくる。
かなりヘボい画面のままルール説明が続きますが、そこで聞きなれない言葉が登場してきます。
「ハイテクノロジーペナルティ」
pato
松浦さん、ハイテクノロジーペナルティってなんすか
「ヘボいロボットの競技ですから、当然、高い技術力のロボットはお断りということです。リモコンなどの遠隔操作、センサーやタイマーによる自動操縦、人工知能などのAI、そのほか高度技術とみなされるものはのは認められません。ただし、遠隔操作については市販のラジコン等を買ってきてそのまま利用という場合は、金で解決した形になるのでペナルティの対象にはなりません」
松浦さん、かなり熱く語ってくるな。この会場内のすべてがヘボいんだけど、審査員の金田さんと、松浦さんの解説だけがヘボくない。
さて、ルール説明も終わり、いよいよ競技開始。ヘボいロボットが32体も出てくる予定なので、かなりテンポよく進めないと終わりが見えてきません。っていうか32体も出てくるのかよ。
ちなみに、記事だとどうしても動きの部分が表現できませんので、当日のライブ配信を同時に視聴すると、そのヘボい動きが理解してもらえるかもしれません。
1回戦 第1試合 あきばこさんVS春風の通り道
pato
なんかお役所のひとみたいな人がでてきましたけど。
松浦さん
整流市という架空の市をイメージして、ロゴまでデザインして、衣装も作ってきたみたいですね。こうやってロボット以外のディテールを作りこんでくるのもヘボコンの醍醐味です。
見て分かるように、市役所の建物がモチーフのロボット。建物が変形するロボットが好きで憧れがあり、そういうロボットを作りたかったが、ヘボいし予算がなかったので変形せず、そのまま市役所が突っ込んでいくスタイルにしたとのこと。発進するときには防災無線みたいな音声が流れるところがこだわりポイント。
松浦さん
ちなみに、出場者の皆さんは、いちばんヘボいところをアピールしてくれるはずです。そこが一番に大切ですから。
ヘボいところは、予算のかけかたがおかしかったところ。整流市の衣装に1万円以上かかった。ロボットはジャンク品の組み合わせなので1000円くらい。ロボット上部のプロペラをネットで買ったら25個も届いてしまったところです。
pato
なかなかのヘボさですね
対するは二人組のチーム「春風の通り道」
pato
なにやら色々な要素がてんこもりのロボットで何と表現していいのか。でもキラキラ光っていて綺麗ですね。
松浦さん
動力が音を立てながら進んでいく犬、ということしか分かりませんね。
ロボット上部の提灯みたいなものがロボット名にもなっている「甘食UFO」で夢の中に甘食をUFOとして用いる宇宙人が出てきたので、ロボットにしようと思い立ったようです。ちなみに一押しのヘボいところは、動力が犬、というところ。
松浦さん
犬による威嚇、爽やかな風による攻撃、高速回転する甘食UFOが特徴とのことです。
pato
あれ、高速回転するんだ。なんのためですか? 敵に当たる位置ではないですよね
松浦さん
・・・・・・・・
pato
なんのためですか?
「・・・・・・・・・・・・」
わけのわからないまま、いよいよ試合開始。
一進一退、白熱の攻防戦。攻防戦!?
pato
僕らは何を見せられているんでしょうか
松浦さん
甘食UFOは確かに高速回転していますが、まったく敵に当たらない位置ですね。そして市役所の方もプロペラが高速回転していますが、意味はありません。どちらのロボットも前進と後進しかできないので、ひとたびすれ違いが生じると、噛み合わず、まったく相撲になりません。
といったところでタイムアップ。決着は判定へ。
開始位置から動いた距離が長いということで、市役所ロボが勝利となりました。
pato
まったく噛み合わなかったですね
松浦さん
噛み合っていた方です。これがヘボコンです。
pato
これで噛み合っている方なのか。これからどんな試合が展開していくのか、だんだん不安になってきた
ちなみに、大会はトーナメント形式にて行われますが、このトーナメント表も司会の古賀さんによる手書きなので、まあまあヘボいです。
1回戦 第2試合 チャーリー浜岡GP VS みの
さて、第1試合の興奮(?)が覚めやらぬまま、間髪入れず第2試合が始まります。
松浦さん
この対決はヘボコン常連者同士の対決のようですね
pato
ずっとヘボいレベルにいる常連の方なんですね。技術力があがらないと。
pato
なるほど、確かに常連の風格ですね
松浦さん
ヘボコンマスター石川氏によると、このロボットは今回の優勝候補の一角だそうです
持参したロボットの名前は「あひるちゃん」。名前がシンプルなだけに不気味だ。
ロボットの特徴は高速で繰り出されるアヒルパンチとのこと。
pato
本体の中に、ペラッペラの足?腕?がありますね。あれで高速パンチを繰り出すみたいです。
松浦さん
けれども、ヘボポイントは、計算を間違えてパンチがめちゃくちゃゆっくりになってしまったところのようです。
pato
じゃあなんで最初に「高速パンチ」って言ったんだろう
対するは、みのチーム、こちらもヘボコン常連の方のようです。
ロボットの名前は「癒し系ふわふわ」。
pato
部屋に置くインテリアみたいなものがでてきました。
こちらは癒しをテーマにしたロボットとのこと。緑と花で癒されて、さらにロボット前面のツボ押しで癒され、モサモサの毛の中にうちの犬の写真があるので製作者が癒される。ヘボいところは、毛糸の部分はザルに毛糸を通しているんだけど、1つ1つに通す必要があって、製作時間の9割が毛糸を通す時間だったとのこと。
松浦さん
ただ、どうみてもあのつぼマッサージのところは稼働するはずなので、攻撃力は高いかもしれません。
pato
でも、そのマッサージのところに毛が絡むって言ってますよ
いよいよ試合開始です。
pato
ふわふわ癒し系のマッサージギミックは毛が絡まずに動いていますけど、ロボット本体の駆動系に毛が絡まってまったく動いていません
松浦さん
アヒルちゃんのほうは予想以上に動きが速いですね
押し出しで、あひるちゃんの勝ち。
松浦さん
あひるちゃんはかなりスムーズな動きで、パワーもありました。あひるの首が動く隠しギミックもありましたね。なんの意味があるか不明ですが、さすが優勝候補です。
pato
癒し系ふわふわの方は、たまに絡んじゃうんですよねえとか言ってるんですけど、どうして絡まないようにしてこないんでしょう
松浦さん
それがヘボコンです
1回戦 第3試合 モリホン VS HenachokoSideRobotics
少し大人しそうな感じのおじさんが出てきましたが、持参したロボットはカラフルでかわいい感じです。
ロボット名はクマドッグです。
松浦さん
名前のとおり、2体の犬のおもちゃと、太鼓を叩くクマのおもちゃを合体させたみたいですね
pato
ケルベロスみたいになってますね。赤と青の針金?かな、あれが触手みたいになっていますけどあれはなんでしょう
松浦さん
おそらく、あれが相手に接触して押しのける効果があるんでしょうけど、なにか不穏ですね
pato
シルエットが禍々しい
松浦さん
狙っていない、天然の怖さみたいなものがありますね
対戦相手はHenachokoSideRoboticsチーム。sがついているけど一人しかいないチームとのこと。仲間をたくさん集めてチームでヘボコンに殴り込みをかけようとおもったけど、誰も集まらなかったとのこと。
持参したロボットは、キムさん。名前と見た目からも分かるように、キムワイプを主体にしたロボットだ。ちなみに、あくまでも「キムさん」であり、キムワイプと呼ぶと「キムワイプではなくキムさんです」とけっこう語気を強めて怒られる。
松浦さん
本体はキムワイプで、足回りはレゴのものを使っているようですね
pato
キムワイプっていうと怒られますよ
「このロボットの特徴はキムワイプの……」
pato
自分でキムワイプって言ってるわ
禍々しきケルベロスとキムワイプ、試合開始です。
pato
おお、がっぷりよつですよ。予想に反して熱戦です
松浦さん
触手がキムワイプに絡みつくという、人生でもそう見ることがない光景ですよ
最初は押し込まれていたケルベロスですが、途中から動力の配分を変えたことが功を奏したのか、サイドに押し出しとなりました。大逆転勝利!
pato
予想外に手に汗握ってしまった
1回戦 第4試合 メガネプロジェクト VS 悪役令嬢商会
第4試合に登場したのはメガネプロジェクトチーム、どうやら家族で挑戦のようです。
pato
名前のとおり、家族全員がメガネな感じですね
ロボットはメガネの砦。かなりメガネにこだわりのあるチームのようです。
pato
試合前に話を聞いたんですが、このロボットには2つのメガネが取り付けられています。前面に固定されて相手を押し出すためのメガネと、中央についた回転するメガネです。このメガネは、ロボット作りを手伝わなかったお父さんとお姉ちゃんのメガネが使われているそうです
中心のメガネの周りに配置されたランプが華やかに光るように釣り用のケミホタルを入れたけど、思ったより光らず、ほとんど目立たないところがヘボポイントとのことです。
松浦さん
中央のメガネがどう回転しても相手に当たりそうにないところがいいですね
そんなメガネロボと対戦するのは悪役令嬢商会チーム。既にアクの強い雰囲気がムンムンに伝わってくる立ち居振る舞い。
pato
悪役令嬢もののコミックが好きなので作ったということです。本当は「ですわ!」とセリフを言わせたかったけど、それは難しいので吹き出しで我慢したところがヘボポイントとのことです。
松浦さん
ネタロボットのように見えますが、キャタピラのロボットは強いんですよ。ロボット相撲に勝つならキャタピラが常識と言われていますから。けっこう勝ちに来ているロボットですよ
pato
キャタピラ部分はタミヤさんのキットをそのまま組み立てているみたいですが、老眼のせいでバネの取り付けが難しかったみたいです。
pato
ちなみに、この悪役令嬢、ヅラが簡単に取れます。
そんなこんなで、メガネVS令嬢の試合スタートです。
pato
悪役令嬢が一気に押し込みましたね
松浦さん
やはりキャタピラは強いですね。メガネの砦もキャタピラのようですが、令嬢のキャタピラがかなり強いです。
pato
メガネの砦も、メガネを回転させて応戦しますが、まったく相手に届いていません
松浦さん
回転半径が本体からちょっとはみ出るだけですからね
押し出しで悪役令嬢の勝ち。
松浦さん
悪役令嬢、かなりパワーがありますよ
1回戦 第5試合 かーねるおいさん VS じきるう
さあ、次は、なにやら大掛かりなロボットが出てきましたが。
松浦さん
ちなみに、誰も気にしてなかったので忘れていましたが、ヘボコンのロボットには重量制限があります。1kgまでという制限があるので、大きなロボットは軽い素材で作る必要がありますし、モーターをたくさんつけると動力は得られますが、そのぶん重くなります
pato
ここまでロボットのレギュレーションに何も言及がなかったのもすごいですね。どういう大会やねん
pato
このかたは、会場に着くや否や、1分で修理していた方ですね。思わず家で直しておけよと叫んでしまいました。
pato
大きなパンダの車輪、中央にもパンダがいます。特徴的なのは前部の風船のようです。第二次世界大戦中のイギリスの兵器、パンジャンドラムとパンダをひっかけたロボットのようです。
松浦さん
パンジャンドラムは爆雷なので風船で爆発をイメージしているんでしょう。あれで敵を吹っ飛ばすのかな
pato
さすがに風船が割れてロボットは吹っ飛ばないでしょ
ヘボポイントは、会場についた瞬間にタイヤが壊れていたところとのこと。よくわかっていらっしゃる。
pato
なんか禍々しい感じのロボットがでてきましたけど
松浦さん
このロボット、そもそも動力がないように見えるんですけど
現代は承認欲求が渦巻く社会であり、自分がイエスマンになれば相手が気持ち良くなり戦意を喪失するかなというコンセプトのロボットとのこと
pato
別に褒められても戦意はなくならないですよ。そもそもなんでロボットで精神攻撃をしようとするんですか。
松浦さん
お札みたいなものは相手を褒める言葉が書かれているんですね
注目のヘボポイントは、本当はジャイロセンサーで自分の顔の動きとロボットを連動させ、イエスマンのペコペコする動きでロボットを動かしたかったけど、無理なので、木でくっつけたとのこと。自分の首の動きが木に伝わってロボットが動くそうです。
pato
人力だ。
松浦さん
人力だ。
そんなこんなで、いよいよ試合開始!
パンダの風船がいきなり割れ(もちろん吹っ飛ばない)、パンダがひっくり返り、イエスマンは完全に人力で動いている。もうイエスマンの首もとれて生首状態に。
pato
これ、なにかの儀式?
「これがヘボコンです」
いきなりそんな真顔で言わないでください。
試合じゃないや、儀式はそのまま時間切れ。明らかにロボット相撲から逸脱した展開に判定でのジャッジも無理ということで、観客による投票となりました。
観客投票により、パンダンドラムの勝利。
松浦さん
さすがにイエスマンはロボットじゃなくて人力だろう、ということでしょうね
pato
そもそも人力なのに試合に出られるんですね。おかしくないですか
1回戦 第6試合 りんご VS ドリームキャッスル団
親子チームでしょうか。なかなか大掛かりなロボットが入ってきました。
ロボット名はメロンメロン。ダイソーで売っていそうなカゴに大量のメロンアイスの容器が乗ってます。
pato
僕ももう、チーム名がりんごなのにロボットがメロンメロンくらいじゃ驚かなくなってきました。
松浦さん
このメロンの容器をぶちまける攻撃をするようです。というか、それしか機能がないようです。
ヘボポイントは、今日の12時に試運転したところ、メロンがぶちまけられなかったところとのこと。
pato
当日12時に唯一の機能が機能しない
pato
また「団」とついているのに一人のチームのようです。
松浦さん
友達と出場するつもりだったけれども、友達はプラハに旅行にいってしまったとのこと
pato
ヘボコン参加者、友達に見捨てられるケースが多いですね
松浦さん
それがヘボコンです
ロボットは「キラキラプリンス号」、実に女性らしい華やかなロボットです。
pato
コントローラーがいいですね。ガラスの靴をモチーフにしていて華やかです。
松浦さん
ロボットも華やかですけど、なんかクラゲっぽいですね
pato
これは完全にクラゲがモチーフですよ
プラハに行った友達がいまはアクティビティでお城巡りをしているはずなので、こちらもプリンセスをイメージして、ティアラなどをあしらったとのこと
松浦さん
プリンセスがモチーフ
pato
クラゲではなかった
ちなみに、ヘボポイントは前進することだけが精いっぱいで、攻撃が何もないところ。ただ、運がいいとプリンセスが回転することがあるとのこと。
pato
さっきからクラゲが回転したり止まったりしてるけど、あれ、操作とかタイマーじゃなくて運なんだ。ロボットの機構に運が絡んでくるんだ
メロンVSクラゲ、試合開始!
pato
プリンセスがけっこう気味悪い動きでいきましたよ。思ったより素早い。
松浦さん
メロンをぶちまけました。唯一の機能が機能した
pato
ただ、このメロンは特に有効な攻撃ではなく、虫みたいな動きをしたプリンセスが、そのまま自分でフィールドの外に出ちゃいましたね。自爆です。
ということで、メロンメロンの勝利!
1回戦 第7試合 ファミリーコイケ VS Hallederiz
3人の男の子が出てきました。二つのチームとロボットが合体したチームのようです。チーム名は「チームコイケ」と「コイケファミリー」から「ファミリーコイケ」としました、とのこと。
pato
ちょっと僕には合体前の2つと合体後チーム名、すべてが同じに思えるんですが、彼らにとっては深いこだわりがあるのかしれません。
ロボットは「シャコッチとThe日常」ということで、なにやら色々な要素がゴテゴテについた感じです。どうやら2つのロボットが合体したものらしく、マッドマックス感が溢れる前部は、シャコッチで、シャコのパンチをイメージした高速パンチが売りとのこと。
松浦さん
後部もなにかギミックがありそうですね
pato
後部はなにもなく、ただ「ひこにゃん」が癒すだけみたいです
そんな合作ロボットです。
対戦するのは、トルコからやってきたHallederizチーム。
何を隠そうこの3人はチャンネル登録者数95万人を誇る超人気YouTuber、Tolga Özuygur氏のチーム。
Tolga Özuygurさんの人気がかなり高いためか、ヘボコンのライブ配信のチャット欄は海外の人で埋め尽くされていました。「OYYYYY」とかチャットが大盛り上がりでした。
pato
動画を観るかぎり、めちゃくちゃ技術力が高そうなんですが
松浦さん
かなり技術力が高いですが、ヘボコンへの理解と愛も深く、イスタンブールで開催されたヘボコンの主催者でもあるようです。
マイコンチップが2つ装備されていますが、これはなにかを制御するわけではなく、ただの盾と武器として使います。電池を使わず、手回しで動かすとのこと。
pato
釣りのリールみたいなものが3つあるので、あれで動かすんですね
松浦さん
左右のキャタピラ、アームと3つの部分を3人で動かすようですね
pato
かなり技術力の高い人なのに、ヘボコンに合わせて技術力を落としてきたわけですね
松浦さん
でも配線などが洗練されているので、ちょっと技術力を隠せていないですね
pato
ひこにゃんマッドマックスが予想外に素早く力強い
松浦さん
しゃこパンチも勢いがあって強い。ひこにゃんマッドマックス、ロボとしてのレベルがかなり高いです
pato
手回しロボも3人の息がぴったりなのか、かなり制御できています。ってか三人ともめちゃくちゃ楽しそう。
松浦さん
かなりレベルの高い試合ですよ
松浦さん
なぜか勝ったほうが恐縮して謝ってしまう。それもヘボコンの文化です
pato
なぜか負けたチームから「ひこにゃん」が手渡されていますが
松浦さん
これもヘボコンの文化ですね。負けたチームの部品が勝ったチームに託されていきます。勝ったチームは次の試合、負けチームの部品を背負って出てきます
pato
負けた者たちの魂を背負って戦い続けるんですね
松浦さん
それがヘボコンです
さて、国際的な試合も終わり、いよいよ次で1回戦の折り返し点となります。
pato
むちゃくちゃ濃厚なのにまだ半分もきてないのか……
1回戦 第8試合 でゅお VS くまのり
爽やかな感じの男女が登場してきましたが、持参したロボットはあまり爽やかじゃない感じでした。
松浦さん
なかなかの禍々しさですね
棒を伸ばして相手を押し出すことを考えたので「ぼーん」という名前になった。棒を伸ばすことだけしか考えてなくて、それをメカデザイナーに伝えたら、これがでてきた、とのこと。
pato
これもう、宮崎駿監督とかに見せたら「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」とか怒り出すやつでしょ
対戦するのは、くまのりチーム。スーパー玉手のTシャツがオシャレです。
ロボットはデロリアン。いわずとしれた映画バックトゥザフューチャーに登場するタイムマシンがモチーフです。
pato
小さい、小さいのよ。小さすぎるのよ。
松浦さん
ロボットは小さいのにコントローラーはクソでかい
pato
あれ、これでも無線のコントローラーですよね? 市販のラジコンでもなさそうですし、これはハイテクノロジーペナルティでは?
松浦さん
いや、これは違うみたいですね。一切、電力を使わないそうです。コントローラーの先についている磁石の反発で、デロリアンを動かすそうです。
pato
もうわけわかんねえな、これ
ヘボポイントは、磁石の反発で動くけど、デロリアン側の磁石をどこかに落としてしまって、磁石で動かないところだそうです。
pato
もうわけわかんねえな、これ
といったところで試合開始。
pato
絵面が完全にラスボスに戦の直前なのよ。
開き直ってコントローラーの先で物理的に押す。完全に人力。
片や、ぼーんは完全に宮崎駿監督が怒り狂う動きで生命を冒涜する動き。なめこギミックが謎に回転しているところも気持ち悪い。
ぼーんが舌で押し出そうとするも、残念ながら時間切れ。
単純に、動いた距離から考えて、ぼーんが判定勝ち。2回戦も引き続き極めて生命を冒涜することになりました。
1回戦 第9試合 やぎせんせい VS ちあきーず
幼稚園教諭のコスプレみたいな方が出てきましたが、本当に幼稚園教諭の方のようです。だから「やぎせんせい」なんですね。
ロボットは「こやぎ」。幼稚園教諭らしいイラストが特徴的です。かわいらしさで皆の同情をひき、油断させる作戦とのこと。ちなみに、幼稚園の教室にありそうなものばかりで制作したとのこと。
pato
ロボットの機構とか、操縦を作戦に組み込むんじゃなく、油断させるとか、嫌な気分にさせるとか、精神攻撃などスピリチュアルな作戦が多すぎますね
松浦さん
技術力が低いと、技術的な作戦を実行できない可能性が高いですから、どうしてもスピリチュアルな方面になります。
pato
幼稚園教諭との対比がすごい。完全に光と闇の対決。
ロボットは「ヘボコンとボートしか勝たん独身男の休日記念」。なにやら競艇の舟券やら船の模型やら、競艇をモチーフにしたロボットのようです。不審者としか思えない衣装も、ボートレーサーっぽさを意識したものとのこと。
まず、勝ち舟券をあちこちに張り付けて、敵ロボットへの精神攻撃を実現しているとのこと。
pato
だからなんで、ロボットの精神を攻撃するんだよ。
今回、浜名湖のボートレースにおいて、1万円を払って冠レース「ヘボコン2023爆走記念」を開催してもらった。その映像をロボットに搭載したスマホで流しながら戦う、とのこと。
pato
流しながら戦ってなんの効果があるのか分からないですか、冠レースまでやるとはヘボコン愛が強い。
ちなみに、冠レースの手続きが大変すぎてロボットにまで手が回らなかったとのこと。
松浦さん
他のことに夢中でロボットに手が回らなかったという方はかなり多いです。おそらくロボットがいちばん優先順位が低いんだと思います
pato
ロボットのコンテストなのに!?
そんなこんなで、光と闇の対決、スタート。
意外にもどちらのロボットも動きが良い。
がっぷりよつの押し合いという相撲らしい展開に。
そのまま押し出して競艇ロボの勝利。どちらのロボも機動力と馬力のバランスが良かったです。
松浦さん
競艇ロボは舟に目がいきがちですが、駆動部分がキャタピラなので強いですね。やはり勝つならキャタピラです。
1回戦 第10試合 チーム高田 VS
第10試合は、対戦相手が体調不良のため欠場。そのままチーム高田が不戦勝とのこと。
松浦さん
体調不良での欠場は残念ですが仕方がありません。ただヘボコンは過去に、会場に向かう電車の中でロボットを忘れて、そのままロボット捜索を諦めて酒を飲みに行って欠場などの前例があります。それが究極のヘボさだと会場は大盛り上がり。会場までロボット持参で辿り着くこともハードルなんです。
チーム高田は不戦勝でそのまま2回戦へ。ここではロボット紹介とインタビューが行われます。
おそらく家族での参加のようですが、ロボットを紹介してくれる息子さんの熱意が薄い。「ロボット名は……なんだっけ?」「このロボットの特徴は……なんだろ」とあやふやだけど、ヘボポイントだけはしっかりと「市販のラジコンにガワをかぶせただけなところです」と説明してくれました。
松浦さん
市販のラジコンを隠すためのゾウの外装がかなり綺麗に作られてますね。
pato
ちょっと僕、きづいたことがあるんですけど
pato
このように、大会開始前のロボット撮影では、ゾウこんなかんじだったんですけど、試合になるとちょっと変わっているんです
pato
このように、スポンサーのセメダインのシールがドデーンと貼ってあるんですよ。これ、会場に来てから貼ったということですよね? ここまでもこのシールを貼っているロボットがめちゃくちゃ出てきましたよね?
松浦さん松浦さん
このように、スポンサーのセメダインのシールがドデーンと貼ってあるんですよ。これ、会場に来てから貼ったということですよね? ここまでもこのシールを貼っているロボットがめちゃくちゃ出てきましたよね?
特にスポンサーシールを貼るようにアナウンスしているわけでもないのに、自主的にスポンサーに媚びてくる、それがヘボコンです。
1回戦 第11試合 秘密結社「星を堕とす者」VS ふくちゃんカフェ
pato
またなにか濃そうなチームが出てきましたけど
松浦さん
衣装や設定にかなり気合が入ってますね
pato
この衣装に秘密結社、星を堕とす者というチーム名、設定が大渋滞している雰囲気が漂ってますね
ロボットは「メチャワルイマジユルセンロボ」とのこと。こちらも設定が大渋滞している雰囲気。考えうる限り全ての悪事を詰め込んだロボットとのことです。すべてコンプライアンスにひっかかることを目指したとのこと。
松浦さん
いちばん目立つのが、スマホと額縁ですね。あのスマホでヘボコンのライブ配信を流すことで、YouTubeの違法配信がよくやってる、関係ない画像で画面を小さくするやつを表現するそうです
pato
本当に言っちゃいけないことかもしれないんですけど、誰に対して精神攻撃してるんですか
ロボットの後部には除草剤などもあり、かなり街路樹に危険が及びそうとのことでした。
NOVAウサギに缶とペットボトルしか捨てられないゴミ箱にプラカップを捨てているなど、盛り込んだ悪事が多すぎて説明しきれていない感じでした。
対するのは「ふくちゃんカフェチーム」。
pato
なにやら衣装が揃った二人組が出てきましたが
この二人は、東京と千葉を中心に展開するドラッグストア「くすりの福太郎」のキャラクター「ふくちゃん」を熱烈に推しており、ふくちゃんの認知度を上げるために推し活としてやってきたようです。
pato
衣装も、手に持っているグッズも、ふくちゃんグッズなわけですね
ロボットは「魔王(ラスボス)」ということです。
松浦さん
ふくちゃんの要素が一切ない禍々しさですね
大好きなふくちゃんをロボット化して人を攻撃したり、されたりとか、そういうのは絶対にありえないので、誰かを攻撃してもおかしくない魔王を作ってきました、魔王には著作権もないと思うんで、ふくちゃんはサンリオキャラなんです、コンプライアンスを守りました、とのこと。
pato
本当に、全身、ふくちゃんグッズなんですね
ふくちゃんカフェチーム
ありがとうございます
pato
なのにキャリーケースはコリラックマなんですね
ふくちゃんカフェチーム
ありがとうございます
pato
なのにキャリーケースはコリラックマなんですね
ふくちゃんカフェチーム
いやー、いわないでくださーい
pato
ありがとうございました
ということで、コンプライアンス違反VSコンプライアンス遵守の試合、スタート!
松浦さん
魔王(ラスボス)の方は試合前から少し壊れているようです。これもヘボコンあるあるなんですけど、みんな市販の安いラジコンを持ってくるので、電波が混線して誰かのコントローラーで勝手に動くんです。そのまま落下して、少し壊れたとのことです
予想外に素早い動きを見せる魔王(ラスボス)。そして踏ん張るコンプライアンス違反、土俵際でがっちり組みあいます。
押し倒されそうになるコンプライアンス違反だけど、後部の除草剤が支えになって倒れない。
そのまま動きなく制限時間が経過。判定へ。
pato
お互いのチーム、ロボットともに設定が複雑で大渋滞しているのに、試合自体はめちゃくちゃシンプル。
松浦さん
動いた距離が長いということで、ふくちゃんカフェ、魔王が勝利となりました。
1回戦 第12試合 ゆりぴよVSおもちゃドクター
全身を黒で固めた女性が出てきました。
pato
ずっと思っていたんですけど、もっとおっさんばかりかと思っていたら、女性の参加者の方が多いですよね。こと「ヘボコン」となると女性もちょっと参加してみるか、みたいな気持ちになるのでしょうか。
ロボットはパーティーモンスター。なにやらロボットの写真のようなものが張り付けられた茶色い物体です。
本当は音楽を奏でる楽しいロボットを作りたかった、とのこと。しかし、ちょっとアクシデントがあったので、そのロボットの遺影を張り付けた急造のロボットを持ってきたとのこと。
本来は、このような煌びやかなロボットで、パーティーモンスターの名前のとおり、音楽がすごく流れる愉快なロボットを作っていたそうです。けれども、2日前くらいに音楽著作権が急に心配になり、とりあえずスピーカーだけ切ろうと適当に配線を切ったら、ロボット全体が動かなくなった、とのこと。
pato
ライブ配信もあるし音楽著作権に配慮したわけですね。それで動かなくなったロボットの遺影をはりつけたと。ベースのロボットはドンキで買ってきたみたいです。
松浦さん
ベースのロボットはウンコのラジコンじゃないですか?ウンコに思いっきりセメダインって貼ってありますよ
pato
ウンコにスポンサーシール貼るな
対戦するのは「おもちゃドクター」チーム。もしかしたら本職なのかもしれませんが、なにやら、おもちゃドクターに扮した技術力の高そうな人が出てきました。
ロボットは「DUCK GUN マーベリック」、映画トップガンの戦闘機F-14をイメージしたロボットです。戦闘機登場の雰囲気を盛り上げるためか、持参したポータブルスピーカーで映画トップガンのテーマソングを流し始めました。
音楽著作権を全く気にせず流し始める姿に、音楽著作権を気にしてロボットを1体、亡き者にした対戦相手さんが「あわわわわわわわ」といった反応を見せていました。もうめちゃくちゃ。
pato
音楽著作権はさておき、この「DUCK GUN マーベリック」は完全に勝ちにきてますね。キャタピラだし、8個のモーターを搭載しているそうです。
松浦さん
8個のモーターだけで重量制限の1 kgに近づきますから、ボディを紙で作るなど、軽量化をほどこしているそうです。かなり強いでしょうね。こちらも優勝候補です。
といったところで、音楽著作権考慮VS音楽著作権無視、の戦いスタート!
pato
はじまりましたが、ウンコの方は全く動きませんね。電源が入ってないんじゃないかというレベルでピクリともしません。
松浦さん
トップガンの方は動きが良いですね。そのまま押し出しそうです
といったところで、トップガンも押し出しきれず、時間切れ。判定でトップガンの勝ちとなりました。
pato
後で聞いてみたんですが、やはり、ウンコのほうは本体のスイッチを入れ忘れていたみたいです。
松浦さん
それもヘボコンあるあるです。
1回戦 第13試合 チーム絵文字 VS チーム萩原
続きましては、チーム絵文字。北海道は札幌からの参戦のようです。
ロボットは、「もうこな世紀末トラック」。
pato
買ってきたラジコンに色を塗っただけのようですが、これは強そうですよ。かなり馬力がありそうです。結局、買ってきたやつがいちばん強いじゃんとなりかねません。
「ヘボポイントは、札幌にコントローラーを忘れてきちゃったところです」
まったく制御できないので、今日は後ろに控えている強面の男性がコントローラーということでロボットを操縦するようです。
pato
人力だ
松浦さん
人力だ
対戦するのはチーム萩原。フィールドにはなにやら巨大なコントローラーが置かれていますが。
いつもはコントロールする側のコントローラーが戦うとのこと。
松浦さん
じつはこれ、ネタっぽく出していますがけっこう強いかもしれません。背面にキャタピラだし、アンテナの部分を攻撃に使えます。そして重心が低くて安定している。ネタに見せかけて勝ちに来ていますね。
そんなこんなで試合開始。
コントローラーのないラジコン、そしてコントローラーそのもののラジコン。奇しくもここで一組のラジコンが出来上がっています。
pato
人力の方は、さすがに人の手で自由自在に動かすのはやりすぎだということで、板を使って傾斜を作り、それで動かすみたいです。
松浦さん
ただ、一度やったらそれっきり、もう動かせないので、そのまま、あっ、簡単に押し出されましたね。
あっという間の押し出しで、チーム萩原の勝利!
pato
やはりコントローラーなしは厳しいですね
松浦さん
コントローラーがないとただの車の置物ですからね
1回戦 第14試合 ロドリゲスカルパッチョ VS さとう
登場するのはロドリゲスカルパッチョチーム。
pato
なんか技術力が高そうな雰囲気の方ですが、ヘボいんですよね
松浦さん
なにやらパソコンの部品のようなものを持ってきていますね
ロボットは、誰も傷つけないDVDドライブ君、とのこと。
pato
完全にパソコンの部品だこれ
DVDドライブのトレイの開閉機構で相手を押し出すロボットにしたかったが、最近のDVDドライブは良くできていて、障害物にあたると止まってしまう、とのことです
松浦さん
だから誰も傷つけない、なんですね
何度か秋葉原に探しに行ったけど、そもそも最近では光学ドライブ自体が入手しづらいので、諦めた、とのことです。
松浦さん
いいですね。止まらないDVDが見つからないから、誰も傷つけないという設定を加えた、この精神がヘボコンです
pato
(松浦さんにかかるとなんでもヘボコンスピリットになるな)
対するのは「さとうチーム」。なにやら殺虫剤のようなロボットが登場してきました。
今年、家にゴキブリが出てしまい、かなりパニックになってしまったそうです。その経験を活かし、ゴキブリをロボットにすれば相手がうろたえてしまうのではないかと閃いたそうです。
pato
また精神攻撃だ
ロボットはGごろう。殺虫剤の中にゴキブリをイメージした人形が乗っています。
pato
これ、なんか、なんていっていいのか分からないんですけど、ゴキブリの人形が独特ですよね
松浦さん
愛がある感じですよね
pato
かわいくデフォルメしてるのに、背面だけ妙にリアル
pato
ちなみに足があって自立します。作り込みがすごい。
松浦さん
作っているうちに愛が溢れてきた感じがします
そんなこんなで、ゴキブリVS DVDドライブ、試合開始です!
pato
どうでもいいことなんですけど、「ゴキブリVS DVDドライブ」って普通に生活していたら絶対に口にしない組み合わせですよね
松浦さん
ここまでの対戦、すべて普通では口にしない組み合わせですよ
松浦さん
まず、Gごろうの動きがめちゃくちゃに遅いですね。ゴキブリをイメージして素早くしたかったけど、なぜか遅くなったそうです
pato
DVDドライブもひどい。トレイの開閉の反動で尺取り虫のように前進していく機構ですが、トレイの開閉のために開閉ボタンを手で押してますよ。ほぼ人力です。
フィールド中央で静かな押し合いが続いたまま、時間切れ、判定になります。
判定が難しいとのことで客席判定になります。
客席判定の結果、僅差でGごろうの勝利!
松浦さん
やはりDVDはほぼ人力でしたからね
1回戦 第15試合 こやしゅん VS チームもさもさ
松浦さん
こやしゅんさんが出てきましたね。ヘボコンの常連で、何度も最ヘボ賞を取っている方です。
pato
ヘボ強豪の方なんですね。ヘボの世界にも強豪という概念があるとは
ロボットは強気一票、なかなか複雑な思想を持ったロボットのようです。
pato
イベント開始前に、このロボットに投票するように言われました
松浦さん
私も投票しました。他の参加者の方にも投票してもらっていましたね
どうやら、ロボットの進行方向を投票で決めてもらうロボットのようです。4方向に投票箱が備えられ、もっとも票が入った方向が紙の重みで傾きます。その傾いた方向にロボットが進むということのようです
pato
傾いた方向に進むロボット、なにげに技術力が高いのでは
対するは、チームもさもさ。親子で参加のようです。
pato
親子で参加っていいですよね。ほのぼのしていて。
ロボットは改造パンダ、パパンパー。なかなか大きいロボットです。コンセプトについて、娘さんが説明してくれました。
「人間に虐められた過去があって、人間に憎しみを持ったパンダが改造された姿がこのロボットです」
松浦さん
ほのぼのとしていない設定があった
pato
虐められるわ、改造されるわでパンダとしてはたまったもんじゃないですね
「この手足の部分から思い出の品を出して攻撃します」
果たして何が出てくるのか。
といったところで、改造パンダVS 投票箱の試合開始!
pato
この対決、どちらのロボットもクソでかい
開始1秒で投票箱ロボットが大きく後ろに傾き、ロボットの上に置かれた部品が転げ落ちました。
pato
これがロボット本体ということなら、この時点で負けですが
松浦さん
いえ、再試合ですね。ロボットが接触していない状態で決着がついた場合は、再試合です
仕切り直して再試合。
と、思ったら、パンダの方が我慢できずに思い出の品がポロポロ出てきました。もうめちゃくちゃ。
松浦さん
思い出の品、ビー玉でしたね
pato
おもひでぽろぽろ
本当に仕切り直して再試合!
またもや開始1秒で後ろに傾いて本体が落ちました。接触していないので再々試合です。
「もう机の上に乗って戦います」
pato
もはやなんの試合なのかわからなくなってきた
繰り返したとしても再再再試合までということで、本体のリングアウトにより改造パンダの勝利。我慢できずに思い出の品がボロボロでていましたが、2回戦にも期待されます。
1回戦 第16試合 ギャンブラーズ VS PikoPikoFactory
さあ、いよいよ1回戦、最後の対決となりました。これで全てのヘボロボットが出揃います。まずは、ギャンブラーズチームの登場です。
マシン名がフォーチュントラック、トラックの荷台にサイコロが取り付けられたロボットのようです。
pato
事前に話を聞いたのですが、サイコロの出た目によって強さが変わるロボットのようです。1が出ると攻撃力が2倍、2が出るとスピードが2倍、3が出ると防御力が2倍だそうです。4,5,6がでると逆にそれらの性能が半分になるそうです。
松浦さん
荷台のところにもそう説明書きがありますね。ただ強くなるだけじゃなく、弱くなる目もあるところが制約と誓約っぽいです
pato
どういうメカニズムで性能が変わるんですか?ときいたところ、メカニズムはない、とのことでした
松浦さん
メカニズムは、ない
pato
これがヘボコンです
トラックの前面には乱数調整のために外れた宝くじが貼ってあるそうです。
お揃いのTシャツに身を包んだPikoPikoFactoryチーム。なんでもキャンセルの穴埋めに急遽、3日前に出場が決まり、急いでロボットを作ったということです。
松浦さん
大会への参加は抽選によって決まりますが、当日までにロボットが完成しない人もたくさんいます。会場に辿り着くまでが大変なんです。様々な事情でキャンセルが出た場合、外れた人に声がかかることがあります
ロボットは「恐怖のグランドピアノ」です。グランドピアノの蓋が空くところをイメージし、その勢いで相手のロボットを転ばせる作戦です。
松浦さん
蓋の開閉は人力です。エアでやりたかったけど開くのに5分くらいかかってしまい、試合が終わってしまうので、紐を引っ張る機構にしたとのことです
ヘボポイントは、大きいサイズのロボットをひっくり返すことを想定して作ってきたのに、どのロボットも小さく、ひっくり返せそうにないところだそうです。
pato
たしかにこれ、グランドピアノの凹の部分にスポッとトラックが入るだけで、ただの車庫入れみたいになってますから、蓋が開いてもひっくり返せないですね
そんな心配をしつつ、試合スタート!
試合開始してすぐ、やはり、心配していた車庫入れ状態になりました。
pato
ダメだこりゃー。トラックの前に貼られた宝くじだけ持ち上がっただけだ
松浦さん
トラックの方は、1の目が出ているので攻撃力が2倍です
ほぼ動きがないまま時間切れ、判定により、フォーチュントラックの勝利です。
「サイコロの目が良くて、攻撃力が2倍になったので押し込めました」
pato
だからそれに裏付けがないのよ
1回戦の熱戦(?)が全て終了、審査員のコメントを頂き、熱戦(?)は後半戦へと入っていきます。
後半戦の前に、スポンサーの紹介です。ゴールドスポンサーであり、小学生ロボコンとヘボコンの両方のスポンサーであるセメダイン株式会社。
電動工作モジュールを扱うスイッチサイエンスさん。ヘボコンでもこのスイッチサイエンスさんのモジュールが多数登場してきました。
タミヤロボットスクールさんも紹介されました。
そして2回戦が始まる前に、スポンサーのセメダイン株式会社より、エキシビジョンマッチが開催されます。
本日の審査員であり小学生ロボコン全国大会優勝チームのリーダーでもある金田さんが、特別に小学生ロボコン全国大会で大活躍したロボットを持参してくれました。このロボットとヘボコンメンバーが対戦します。
pato
全国優勝ロボットとヘボコンメンバーが対戦って、勝負にならないどころか、大虐殺になっちゃうんじゃないですか
松浦さん
ですから、金田さんはロボット、ヘボコンチームは人力で戦うようです
全国大会でも大活躍したこのロボットで、数メートル離れた円筒にピンポン球をいれます。
惜しくも1回戦で敗れたヘボコンメンバーから選抜された4人。ヘボ選抜です。こちらは、ロボットではなく、人力でピンポン球を投げ入れてもらいます。
果たしてどちらが勝つのか。
スコン
エグい精度で次々とピンポン球が入っていくチャンピオンのロボット。これには会場が騒然となりました。
そしてヘボコンチームはドタバタと走り回って円筒を狙いますが、まったく入りません。これにも会場が騒然となっていました。
結果
チャンピオン 圧倒的多数
ヘボコンチーム 1個
とカウントするまでもなくチャンピオンの勝利。圧倒的な精度のロボットの登場に、我々のロボは果たして同じロボットという括りに入れていいのか、そんなヘボコン参加者の戸惑いが感じられました。
さて、ここから2回戦となりますが、2回戦は1回戦を勝ち上がったロボットを同時に4体、戦わせます。基本的にはロボット相撲ですが、四隅からスタートして一気に戦うバトルロワイヤルです。
pato
いっきに4体、急に展開が雑になってきた
松浦さん
相変わらず、ルール説明のスライドも雑
pato
ひととおりヘボロボットを紹介しましたし、こちらも雑にレポートしていきましょう
2回戦 第1試合
無変形ロボ お役所シヴォサー
あひるちゃん
クマドッグ
転生した悪役令嬢がヘボコンマシンだった件
あひるちゃん
クマドッグ
転生した悪役令嬢がヘボコンマシンだった件
pato
なんかこの試合のロボットはカラフルですね。色合いが良い。
松浦さん
全てキャラが濃いので、同時に4体も動かれると混乱しますね
pato
収拾のつかなくなったスマブラみたいになってきた
pato
悪役令嬢はヅラが取れやすいと危惧していたら、ズルリと取れた。しかもそのヅラが役所の車輪に絡んでいますね。もうめちゃくちゃ
ヅラにケーブルに思惑に、あらゆるものが絡みあったままタイムアップ。判定となります。
移動距離から考えて、市役所は敗退、ほぼ同じ移動距離の悪役令嬢とあひるちゃんで会場投票となりました。
圧倒的多数の票を得て「あひるちゃん」の勝利、準決勝へ。
2回戦 第2試合
パンダンドラム
メロンメロン
トルコからの刺客
ぼーん
メロンメロン
トルコからの刺客
ぼーん
2回戦、第2試合です。
pato
メロメロンのメロンは炸裂するのか、パンダンドラムの風船で吹っ飛ばせるのか、禍々しきぼーんの舌で押し出せるのか。そしてそれを迎え撃つトルコ大人気YouTuber。これは注目の対戦ですよ。作戦としては、トルコチームが強いので、3体でそこを狙うべきでしょうね。どうですか、解説の松浦さん!
松浦さん
(急にやる気を出してちゃんとした実況をやり始めたので驚いている)
そんなこんなで試合開始!
松浦さん
ちなみにトルコチーム、1対1の対決だけだと思っていたらしく、4体対決があるとは思わなかったとバカウケしていました
pato
トルコチームは常にバカウケしていましたね。楽しそうなところが印象的です
pato
突如としてメロンメロンが覚醒しましたよ。メロンをぶちまけるわ、パンダを押し出すわ、ぼーんも押し出しました。強い。
松浦さん
あとはトルコチームだけですが、トルコチーム、回避性能が高いですね
pato
意外に激戦
pato
回避しているうちに、メロンメロンにケーブルが絡まり、コントロールを失ってそのままリングアウトしました。
トルコチームの勝利です! 熱い熱戦に会場は大盛り上がり。
pato
ライブ放送のチャット欄でも母国の人たちがめちゃくちゃ盛り上がっていました。意味は分かりませんが「OYYYYYYY」ってたくさん書き込まれてました。
トルコチームは準決勝進出です!
2回戦 第3試合
ヘボコンとボートしか勝たん独身男の休日記念
強いゾー
魔王(ラスボス)
DUCK GUNマーベリック
強いゾー
魔王(ラスボス)
DUCK GUNマーベリック
2回戦、第3試合です。
pato
やはり、1回戦の相手からいろいろと受け継ぐロボットもいるんですね。
松浦さん
勝ち進めば勝ち進むほど色々と受け継いで訳の分からなくなることもあります
pato
ただでさえ設定が大渋滞しているのに、さらに大渋滞になる。
pato
まず、1回戦が不戦勝だった「強いゾー」に注目ですね、これが初戦になるのでどんな動きになるのか
松浦さん
強さで言えばDUCK GUNが抜けていますので、最初に他の3体で狙う作戦が有効だと思います。
といったところで、試合開始!
「混線して勝手に動く~」という叫び声とともに、魔王が突っ込んでいって倒れました。誰かのコントローラーに反応しているみたいです。
pato
強いゾーが高い操縦性を見せています。DUCK GUNの攻撃を綺麗に回避しています
松浦さん
ボートレースの方は、ボートレースを流していたスマホが落ちたりしています
といったところで時間切れ。決着は判定へ。
移動距離により、DUCK GUNマーベリックの勝利!
2回戦 第4試合
戦うコントローラー、タタコン
Gごろう
改造パンダ パパンパー
フォーチュントラック
Gごろう
改造パンダ パパンパー
フォーチュントラック
いよいよ2回戦、最後の試合。これで準決勝進出者が出揃います。
みなさん準決勝進出を目指して意気込みを語ります。
パンダ「みなさんがもっと応援してくれたら本気を出せるんでお願いします」
pato
客を味方につける作戦だ
Gごろう「なんかパンダの平べったい感じにゴキブリが潰されるストーリーが浮かびます」
コントローラー「北海道チームの思いをアンテナの先端につけました」
ギャンブル「正面のパンダの威圧感がすごいですが、良い出目が出れば勝てると思います」
pato
だからその出目の能力アップに裏付けがないのよ
そんなこんなで、2回戦、最終試合スタート!
バキッ!
pato
パンダを扇いでいたウチワがいきなりバキッと音を立てて折れました。そのまま飛んでいきました
バターン!
豪快に倒れるパンダ。下敷きになったのは巨大コントローラー。Gごろうは動かない。
パンダとコントローラーはもつれ合ったままリングアウトとなりました。
残されたのはギャンブルトラックとGごろう。Gごろうは動かない。
この状態で時間切れ。動いた距離により、ギャンブルトラックが準決勝に進出!
pato
相手がもつれ合って自爆、そして動かないロボット、何もせずにギャンブルトラックが勝ちましたね
松浦さん
きっと出た目が良かったんでしょう
pato
だからそれ、裏付けがないのよ
準決勝 第1試合 あひるちゃん VS トルコチーム
さて、ここから準決勝です。準決勝からはまた1対1の対戦形式に戻ります。
pato
安定した強さを誇る、あひるちゃんと、異様に楽しそうにロボットを操縦するトルコチームです
松浦さん
2回戦でもありましたけど、トルコチームは機動力があるだけに、コントローラーのケーブルが絡まないようにするところがポイントかもしれません
試合前の両陣営のコメントです。
トルコチーム「(ここまで勝ち残ってしまって)興奮しているし、ちょっと恥ずかしい」
あひるちゃん「国際問題になったらどうしよう」
といったところで準決勝、第1試合スタート!
さすが準決勝、どちらも勢いよく飛び出して中央で激しくぶつかりました。
正面からのぶつかり合いは少し分が悪いと判断し、なんとかサイドに回り込もうとするトルコチーム。
しかし、そのままリングアウトとなりました。
pato
Tolga Özuygurさんの満面の笑み。負けはしましたけど存分に楽しんでいただけたようでなによりです
あまりに熱い熱戦に会場からも拍手が沸き上がりました
あひるちゃん、決勝進出です!
準決勝 第2試合 フォーチュントラック VS DUCK GUNマーベリック
明らかにギャンブラー不利な戦いですが、試合前の両陣営のコメントです。
ギャンブラー「最強の目はスピードが2倍になる2の目なのでなんとか出したい」
DUC KGUN「とにかくがんばります」
準決勝第2試合、開始です!
pato
サイコロの目は6です。
松浦さん
弱くなるやつだ!
あまりにもあっさり持ち上げられるフォーチュントラック。
軽々と押し切られて落下しました。
DUCK GUNマーベリック、決勝進出です!
「悔しいです。今までの試合で運を使い果たしてしまい、出目が悪かったです」
pato
だからそれに裏付けがないのよ
さあ、いよいよ決勝戦、最後の戦いです!
決勝戦 あひるちゃん VS DUCK GUNマーベリック
1回戦から安定した強さを見せていた両ロボットが順当に勝ち上がってきた形になりました。
pato
僕ちょっと思ったんですけど、こういう大会って決勝戦がいちばん盛り上がってボルテージがマックスに達するじゃないですか、なのになんでこう、ヘボコンはちょっと冷ややかな感じなんですか
松浦さん
やはり、ヘボいことがいちばんエライわけですから、決勝までくるのはそんなにヘボくないよね、強さを見せられても、という気持ちが観客にもあるのかもしれません。だいたい、勝ち上がってくるまでに大人げない感じを見せられていますし
pato
こんな冷ややかな決勝戦、僕の人生経験の中にないですよ
両陣営の試合前のコメントです。
あひるちゃん「奇しくもアヒル対決になったので大人のアヒルとして負けたくない」
pato
こういわれて、初めて「ほんとだ、どっちもアヒルだ」と気づくくらい、みんな決勝に冷ややかでした
DUCK GUN「ここまで(大人げなさで)数々の子どもを泣かせてきましたが、決勝は相手が大人(操縦者もアヒルも)なので思う存分いけます」
pato
チーム名が「おもちゃドクター」なのに子どもを泣かせてきたんだ
といったところで、冷ややかな決勝戦、スタートです
両陣営、冷ややかな感じで前進し、冷ややかな感じでぶつかり合いました。
そのまま冷ややかに押し切って、DUCK GUNマーベリックの勝利です。
松浦さん
やはり強かったですね、DUCK GUNマーベリック
pato
僕の人生でいちばん冷ややかな決勝戦でした
以上で全ての試合が終わりましたが、ここからが本番です。
会場には、きょう出場した全てのロボットのポラロイド写真が貼りだされています。
pato
なんかちょっと、このポラロイドもちょっとヘボい感じですね。番号がズレていて手書きで書きなおしている。
会場のみなさんは、いちばんヘボかったと思うロボットにシールを貼って投票してもらいます。
pato
シールはキラキラで豪華。シールはヘボくない
もっとも得票が多かったロボットに、もっとも栄誉ある「最ヘボ賞」が贈られます!
みなさん、ヘボいと思うロボットに投票していきます。
投票時間は終了、表彰式となります。
表彰式
それでは表彰式です。まずは準優勝。
準優勝は、チャーリー浜岡GPチーム、あひるちゃんです
松浦さん
決勝では敗れましたが、終始、安定した強さでした。キャタピラではないロボットで決勝まで残ったのは驚きです
チャーリー浜岡GPチームには100均の工具一式詰め合わせが贈られます。
次は優勝者の表彰です。ヘボコンマスターより、ヘボいのがいちばんエラいヘボコンで優勝はたいした賞ではないのですが、いちおう、表彰しておきましょうと説明されます。
優勝は、おもちゃドクターチーム、DUCK GUNマーベリック。
松浦さん
圧倒的な強さでした。モーターを8個も使った馬力、謎に開閉する翼、重量制限ギリギリを狙ったボディ、全てが圧倒的な大人げなさでした
おもちゃドクターチームは3回ほど抽選に落ちており、今回が本戦初出場、とても楽しかったとのことです。次回はチャンピオンとして狙われる立場になります。
pato
次回は開き直ってモーターを16個くらい搭載する大人げなさを見せて欲しい
おもちゃドクターチームには、100均工具一式と、ヘボいトロフィーが贈られます。
続きまして、審査員賞です。ここから栄誉ある賞であると説明されました。
まずはギャル電賞です。
ギャル電賞は、ギャンブラーズチームの、フォーチュントラックです。
乱数がテーマってところと、自分が信じた設定を最後まで貫き通している点が評価されました。また、本当に運が良くてけっこう勝ち残った点も評価されました。
pato
ギャル電さんは「メガネの砦」と迷ったそうです。ネーミングが天才的だと高い評価でした。僕もあのメガネがクルクル回転する意味不明さが良いと思いました。
ギャンブラーズチームには、めっちゃいいはんだごてのセットとギャル電のギャル基板キットが贈られます。
続いて、セメダイン賞です。
セメダイン賞は、審査員の金田さんより発表されます。
セメダイン賞は。さとうチーム、Gごろうです
ゴキブリのかわいい顔と気持ち悪い足のギャップが高く評価されました。
さとうさんには、セメダインのゴムバンド1年分が贈られます。
また、工業用の巨大接着剤(スーパーX)が贈られます。
ちなみに、中身は工業用に作られたものなので、通常のものとちょっと違うみたいです。
ヘボいので工業用のセメダインは使いこなせないかもしれないということで、布テープも贈呈されました。
「接着剤のひみつ」という本も贈呈されました。さすがゴールドスポンサー、賞品も盛り沢山です。
続きまして、デイリーポータルZ賞です。
デイリーポータルZ賞は、ゆりぴよチーム、パーティーモンスターです。
著作権に配慮して配線を切ったところ、動かなくなったところ、そのかわりのロボットがウンコだったところ。基板を用いているのに、ただ遺影を支えるためだけにつかっているところなど、あらゆる角度のヘボさが評価されました。会場投票もかなりの得票でした。
デイリーポータルZのライター陣の著書、3冊が贈呈されます。
そして、もっとも名誉のある最ヘボ賞、会場投票でもっとも得票のあったロボットの発表です。ちなみに、最多得票は同数で2体のロボットが並んだため、その2体から審査員投票で決めました。
ヘボコン2023 最ヘボ賞はチームもさもさ、改造パンダ パパンパーです!
人間に虐められて改造され人間を憎んでいるパンダという世界観の酷さ、折れるウチワ、思い出の品での攻撃があまり効果がない、でかいのに薄い、そのあたりが評価されたのではないか、ということです。
pato
そう、このロボット、でかいのに薄いんですよ
うすい。
チームもさもさにはヘボコンマスターのお子さんが作った特製トロフィーが贈呈されます。
松浦さん
毎回、マスターのお子さんが作成したトロフィーが贈呈されますが、お子さんも作り慣れてきたみたいで、どんどんトロフィーのクオリティがあがっています
「最初は絶対に勝てないと思ったけど、賞を貰えたから嬉しいです」
娘さんをヘボコンの道に引きずり込んだお父さんとしては、そろそろ知性を持って欲しいと考えているのですが、娘さんは次回以降もヘボコンに出たいと完全にハマってしまったようです。
ヘボいロボットが大集結したヘボコン2023もこれにて閉幕。次回、ヘボコン2024でお会いしましょう!
pato
いやー、すごかったですね、まさかここまでヘボいとは。けれどもいちばん驚いたのが、ヘボいが悪口ではなく、誉め言葉として浸透し、皆の共通認識になっているところです。あと、決勝戦の冷ややかさにもビビりました
松浦さん
ヘボくてもいいんだよ、ではなく、ヘボいのこそ偉い、とした点が重要です
pato
そして、みなさんがただヘボいロボットを持ってきたわけではなく、独自の世界観をもっているところに驚きました。みなさん、自分の世界を表現して本当にいい顔をしています。
松浦さん
そうなんです。みなさん、自分の世界を表現したい気持ちがあるんです。けれども、それをロボットにしようとすると、どうしても技術力がないから、と及び腰になってしまう。そこでヘボいのこそが偉い、となると、みなさん物怖じせずに世界観を表現してくるんです
pato
それが
松浦さん
ヘボコンです!
pato
松浦さんの決め顔で締めたところでヘボコン2023は終了。次回、僕もめちゃくちゃ悪臭を放つロボットなどで参加したいなあ、と思いました。
ヘボコン2023レポートおわり
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