ものづくり 2020年11月27日

高専ロボコン2020|北海道地区大会観戦レポート

11月8日、高専ロボコン地区大会もいよいよ最終週。前半戦は北海道地区大会からスタートです。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年の高専ロボコンは史上初のオンライン開催となりました。例年のような競技スタイルではなく、自由演技。まさに「アイデア対決」となった本大会、どんなロボットが見られるのでしょうか。

今年はバーチャル会場が設営されました!

今年の競技は?

今年のテーマは、【だれかをハッピーにするロボットを作ってキラリ輝くパフォーマンスを自慢しちゃおうコンテスト】略して「はぴ☆ロボ自慢」!
従来のような競技テーマはありません。学生たちの自由なアイデアで見た人をハッピーにするロボットを披露します。

「ロボ自慢」は、おなじNHKの「のど自慢」を模したそうです…。

審査ポイント
  • テーマ設定の説得力と実現のためのロボットのアイデアのすばらしさ
  • チームが置かれた環境の中での材料の工夫と技術力のすばらしさ
  • ロボットのパフォーマンスのすばらしさ
審査方法
  • チームごとに順番にパフォーマンス
  • 審査員が1人につき10点満点で採点、審査員5人合計で50点満点
  • 審査員5枠の合計得点が高かった上位5チームが決勝ラウンドに進出
パフォーマンス時間
  • 予選ラウンドは2分以内
  • 決勝ラウンドは3分以内

出場チーム紹介

No 出場校 ロボット名・プロジェクト名
1 函館高専 Aチーム スもほ
2 函館高専 Bチーム OT-DT
3 旭川高専 Aチーム ダーリンが来た!
4 旭川高専 Bチーム 絡繰はBARにいる
5 旭川高専 Cチーム おサボり危機一髪
6 旭川高専 Dチーム 飛脚屋【連歩】

ここからは、6チームすべての出場チームロボットたちを紹介します☟

 

旭川高専Aチーム「ダーリンが来た!」

旭川高専Aチーム「ダーリンが来た!」は可愛らしいモモンガロボットです。木に登ったモモンガが、勢いよく発射され、数メートル離れた壁に磁石の力で飛びつきます。勢いが強かったためか、残念ながらモモンガがおっこちてしまいましたが、北海道らしいテーマ設定と、飛ばし、着地させる機構に工夫が見られました。決勝ラウンドでは、人間に飛びつく演出も準備してあったそうです。「くっつくところ」見たかったですね・・・!

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旭川高専Cチーム「おサボリ危機一髪」

コミカルな動作が笑いを誘ったのは、旭川高専Cチーム「おサボリ危機一髪」。先生ロボットと生徒ロボット、計四台のロボットが授業中の攻防を繰り広げます。生徒ロボットの「スイーツアーム」がカバンからお菓子を取り出し、「死角つくろボ」早弁を隠してくれれば、先生ロボットは「ガチョリング(チョーク飛ばしガトリング)」&「はピりコ(ハリセン&ピコピコハンマー)」で対抗します。特にガチョリングの威力は凄まじく、解説の鈴木先生(未来大学教授)も「欲しい!」と好評でした。

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函館高専Bチーム「OT-DT」

函館高専Bチーム「OT-DT」のイカロボットは学生と一緒に函館港まつり名物「イカ踊り」を踊ります。プラスチックや金属部品を使うチームが増えている中、イカの足を構成するのはデリケートな紙コップ。市内の児童館を回り、子供たちの可愛らしいイラストやお願い事を書いてもらいました。紙コップをつぶさないイカロボットのなめらかな動きのほか、稼働前のプレゼン映像も美しく、2分間のパフォーマンスを存分に使って児童館の子供たち、函館のみなさん、観戦した私たちをハッピーにしてくれました。決勝では別のロボットが登場です。函館の観光地56か所を車型ロボットが巡った映像とともに、函館の魅力を余すことなくプレゼンします。最後は学生たちの声援を受けて車型ロボットが完走です。

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函館高専Aチーム「スもほ」

函館高専Bチーム「スもほ」のパフォーマンスは、ロボコン史上初「その場でつくるロボット」!本番中にロボットを組立て、運転までを披露します。果たして2分間で完成させられるのか?全員がハラハラしながら見守る中、ロボットが動き出した瞬間、学生も観客も皆ハッピーな雰囲気につつまれました。スマホをコントローラーに音声信号でモーターを動かすアイデアも新しく、今大会にふさわしい新しいロボコンの姿を見せてくれました。(このロボットの作り方はTwitterアカウントで公開されています)
予選ではかなりの事前準備をして臨みましたが、決勝ラウンドでは半田づけ、回路づくり、スマホの設定まで0からのスタートで組立て~動作までを披露しました。残念ながら動かなかったものの「誰でも楽しめるロボットづくり」というコンセプトを存分に披露しました。

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旭川高専Bチーム「絡繰はBARに居る」

フィールド・世界観の作りこみでも魅せたのは旭川高専Bチーム「絡繰はBARに居る」。バーテンダーロボットが シェイカーを振り、特製スクリューねじドリンクの入ったグラスをカウンターの上を滑らせます(映画でよく見るアレです)。お客様の前にきたグラスに、2台目のミニロボットがマイナスドライバーを添えてお出しすれば特製「スクリュー&ドライバー」の完成です。シェイカーを振るしなやかな腕前、お客様の前で丁度よく止まるようにカウンターを滑らせる機構など調整も細やかです。予選ではドライバーを添える(発射する?)機構が不発だったものの、決勝(副音声版)では見事に成功!液体禁止の本大会において、バーを再現するためのアイデアが随所に光りました。

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旭川高専Dチーム「飛脚屋【連歩】」

高専キャンパスを広々と使ってパフォーマンスした旭川高専Dチーム「飛脚屋【連歩】」のストーリーは、「校舎の廊下がとにかく長くてレポート提出が大変!ロボットに代わりに出してもらおう」!5台のロボットがリレー形式で先生のもとにレポートを届けてくれます。フィールドが広いだけでなく、ロボットの台数が増えるとその分調整・連携も難しくなりますが、手すり昇降に始まり、次のロボットへのレポート受渡し、下の階に射出など、難易度の高い動作をすべて成功させました。決勝でも安定した走行を見せ、密(に並べられた机)を上手に避けて無事に先生にレポートが渡りました。レポート合格おめでとうございます!

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以上で全パフォーマンスの発表が終了です!

皆さんお疲れ様でした!沢山のハッピーをありがとうございます!

表彰式

結果はこちら!

最優秀賞 旭川工業高等専門学校 Dチーム「飛脚屋【連歩】」 Youtube動画はこちら
アイデア賞 函館工業高等専門学校 Aチーム「スもほ」 Youtube動画はこちら
技術賞 旭川工業高等専門学校 Bチーム「絡繰ロボットはBARにいる」 Youtube動画はこちら
デザイン賞 旭川工業高等専門学校 Aチーム「ダーリンが来た!」 Youtube動画はこちら
協賛企業特別賞 本田技研工業株式会社 函館工業高等専門学校 Bチーム「OT-DT」 Youtube動画はこちら
マブチモーター株式会社 旭川工業高等専門学校 Dチーム「飛脚屋【連歩】」 Youtube動画はこちら
株式会社安川電機 函館工業高等専門学校 Aチーム「スもほ」 Youtube動画はこちら
東京エレクトロン株式会社 旭川工業高等専門学校 Cチーム「おサボり危機一髪」 Youtube動画はこちら
田中貴金属グループ 旭川工業高等専門学校 Bチーム「絡繰ロボットはBARにいる」 Youtube動画はこちら
ローム株式会社 旭川工業高等専門学校 Aチーム「ダーリンが来た!」 Youtube動画はこちら
セメダイン株式会社 旭川工業高等専門学校 Aチーム「ダーリンが来た!」 Youtube動画はこちら

最優秀賞

広大なフィールドを使い、5台すべてのロボットを制御・連携させ難易度の高いパフォーマンスを成功させた旭川高専Dチーム「飛脚屋【連歩】」!おめでとうございます。

アイデア賞 

本番でロボットをつくるという、ロボコン史上初のアイデアを成功させた函館高専Aチーム「華火」が受賞しました。ものづくりを楽しむ学生たちの姿がとても印象的でした。

技術賞

旭川高専Bチーム「絡繰はBARに居る」が受賞しました。すべての機構・動作が安定しており、高い技術力で「バーの動き」を再現した点が評価されました。

デザイン賞

北海道の広大な自然をテーマに、モモンガの生態を見事にロボットで再現した旭川高専Aチーム「ダーリンが来た!」が受賞しました。

全国大会出場校

北海道地区からは、2チームが全国大会に出場します。

最優秀賞チーム 旭川工業高等専門学校 Dチーム「飛脚屋【連歩】」
推薦チーム 函館工業高等専門学校 Bチーム「OT-DT」

バーチャル国技館ではどんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。
全国大会(オンライン)は11月29日に開催です!皆で応援しましょう!

そして、東海北陸地区大会に出場した6チームの皆さん、大変お疲れ様でした。
楽しい時間をありがとうござました!

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