ものづくり 2020年11月27日

高専ロボコン2020|中国地区大会観戦レポート

11月1日、高専ロボコン地区大会3週目は中国地区大会からスタートです。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年の高専ロボコンは史上初のオンライン開催となりました。集まることが困難なチームや、制作期間が1~2週間しかないチームもありましたが、学生たちは各家庭の3Dプリンターを駆使するなど工夫を凝らし、オンライン競技だからこそできるパフォーマンスを作り上げました。今週はどんなロボットが見られるのでしょうか。

今年はバーチャル会場が設営されました!

今年の競技は?

今年のテーマは、【だれかをハッピーにするロボットを作ってキラリ輝くパフォーマンスを自慢しちゃおうコンテスト】略して「はぴ☆ロボ自慢」!
従来のような競技テーマはありません。学生たちの自由なアイデアで見た人をハッピーにするロボットを披露します。

「ロボ自慢」は、おなじNHKの「のど自慢」を模したそうです…。

審査ポイント
  • テーマ設定の説得力と実現のためのロボットのアイデアのすばらしさ
  • チームが置かれた環境の中での材料の工夫と技術力のすばらしさ
  • ロボットのパフォーマンスのすばらしさ

 

審査方法
  • チームごとに順番にパフォーマンス
  • 審査員が1人につき10点満点で採点、審査員5人合計で50点満点
  • 審査員5枠の合計得点が高かった上位5チームが決勝ラウンドに進出
パフォーマンス時間
  • 予選ラウンドは2分以内
  • 決勝ラウンドは3分以内

出場チーム紹介

No 出場校 ロボット名・プロジェクト名 No 出場校 ロボット名・プロジェクト名
1 米子高専 Aチーム 兎亀兎亀ロボアスロン 9 呉高専 Bチーム 技ミック混ジック
2 米子高専 Bチーム Tap it u 10 徳山高専 Aチーム 玉屋と鍵屋
3 米子高専 Cチーム ロボコンサート 11 宇部高専 Aチーム
Uhistory
4 松江高専 Aチーム The Animal Painter 12 宇部高専 Bチーム ロボット・コンチェルト
5 津山高専 Aチーム 笑鬼来桃 13 宇部高専 Cチーム スターマイン
6 津山高専 Bチーム 花笑み 14 宇部高専 Dチーム まめろぼのだいぼうけん
7 広島商船高専 Aチーム 華火 15 大島商船高専 Aチーム A From Egg
8 呉高専 Aチーム 土竜 16 大島商船高専 Bチーム Anywhereman

ここからは、知恵とアイデアが詰まった各校のロボットたちの一部を紹介します☟

広島商船高専Aチーム「華火」

広島商船高専Aチーム「華火」は回転残像を利用した「宮島水中花火大会」の再現にチャレンジしました。残念ながらマシンの不調で花開く瞬間は見られませんでしたが、水面に映る打ち上げの軌道も美しく、繊細な映像美で我々を魅了しました。

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呉高専Aチーム「土竜」

呉高専Aチームの「土竜」は合体のロマンを追い求めたモグラたたきロボット。日本全国に蔓延するコロナウイルスをモグラロボットが退治していきます。合体シーン、手に汗握る実況と見せ場たっぷりのパフォーマンスでした。

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徳山高専Aチーム「玉屋と鍵屋」

徳山高専Aチーム「玉屋と鍵屋」の花火は、「打ち上げ」の機構に注目しました。ゴムの力を使って高く打ち上げられた落下傘が花火のように画面を彩ります。傍らでは鍵屋ロボットがはねずみ花火を発射!体育館の広さ・高さを存分に活かし、音とスピード感で新しい花火を表現していました。

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津山高専Aチーム「笑鬼来桃」

心温まるストーリー展開で和ませたのは津山高専Aチーム「笑鬼来桃」。泣いている鬼さんを、カッパ(桃太郎)、サル、キジ、犬の4台のロボットが元気にします。コロナで減ってしまった「ふれあい」を通じて、最後は鬼さんも笑顔になりました。「笑い犬」のなめらかな腕の動きにも注目です。

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大島商船高専Bチーム「Anywhereman」

大島高専Bチーム「Anywhereman」は離れた場所からも応援ができる新時代のスポーツ観戦の形を見せました。スマホアプリのボタンをタップすると、会場にいる「かもぞうロボット」が「がんばれー!」「諦めんなー!」「すごーい!」などの声援と手旗で応援をしてくれます。

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いよいよ決勝ラウンド!

予選ラウンドをおえ、決勝に駒をすすめたのはこの5チーム!
ここからは競技時間が3分に!予選では見られなかった新たなパフォーマンスが披露されます。

宇部高専Cチーム「スターマイン」

宇部高専Cチーム「スターマイン」は、LEDテープを組み込んだロボットで打ち上げ花火を再現しました。いくつもの点滅パターンを組み合わせることで、会場に美しい色とりどりの花が咲きました。

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米子高専Bチーム「Tap it u」

米子高専Bチーム「Tap it u」が作ったのは書道ロボットです。うさぎロボットが力強く叩く太鼓の音をBGMに、4台のロボットアームが文字を書きます。このロボットは、垂直面に文字を書く珍しいタイプ。安定した動作で、予選では「笑門来福」、決勝では「日進月歩」を見事に書き上げました。まさしく達筆!

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呉高専Bチーム「技ミック混ジック」

ロボットのクオリティはもちろん、マジックパフォーマンスで魅了したのは呉高専Bチームの「技ミック混ジック」。人間でも難しいマジシャンの指使いを手動ロボットで操縦する学生のスキルもお見事!予選でのカードマジック、決勝ではカップマジック、コインマジックを全て成功させました。

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松江高専Aチーム「Animal Painter」

松江高専Aチーム「Animal Painter」は、完璧に制御された可愛い動物20台のロボットたちが大キャンバス駆け巡り樹齢千年の立派な桜の木を描き上げました。最後は照明が落ちて夜桜に変身。ストーリー構成も美しく、動物たちの楽し気な様子が私たちをハッピーにしてくれました。

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米子高専Cチーム「ロボコンサート」

米子高専Cチーム「ロボコンサート」のロボットは圧巻の100台!ハンドベル演奏ロボットがFoolinの「パプリカ」を美しい音色で奏でます。ミスのない演奏からは制御技術の高さが伺えます。(ちなみに、音のチューニングもその場で学生が行っていたとか)演奏が終わると会場は観客ロボットたちのあたたかい拍手に包まれました。

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以上で全パフォーマンスの発表が終了です!

皆さんお疲れ様でした!沢山のハッピーをありがとうございます!

表彰式

結果はこちら!

最優秀賞 米子工業高等専門学校 Cチーム「ロボコンサート」 Youtube動画はこちら
アイデア賞 広島商船高等専門学校 Aチーム「華火」 Youtube動画はこちら
技術賞 徳山工業高等専門学校 Aチーム「玉屋と鍵屋」 Youtube動画はこちら
デザイン賞 米子工業高等専門学校 Bチーム「Tap it u」 Youtube動画はこちら
協賛企業特別賞 本田技研工業株式会社 宇部工業高等専門学校 Bチーム「ロボット・コンチェルト」 Youtube動画はこちら
マブチモーター株式会社 米子工業高等専門学校 Aチーム「兎亀兎亀ロボアスロン」 Youtube動画はこちら
株式会社安川電機 広島商船高等専門学校 Aチーム「華火」 Youtube動画はこちら
東京エレクトロン株式会社 大島商船高等専門学校 Bチーム「Anywhereman」 Youtube動画はこちら
田中貴金属グループ 津山工業高等専門学校 Aチーム「笑鬼来桃」 Youtube動画はこちら
ローム株式会社 宇部工業高等専門学校 Cチーム「スターマイン」 Youtube動画はこちら
セメダイン株式会社 呉工業高等専門学校 Aチーム「土竜」 Youtube動画はこちら

最優秀賞

全国大会の切符を勝ち取ったのは、限られた時間で100台ものロボットを作り上げ、高い技術力でそのすべてを見事制御した米子高専Cチーム「ロボットコンサート」!おめでとうございます。

アイデア賞 

花火「立体再現」に挑んだ広島商船高専Aチーム「華火」が受賞しました。予選では残念ながら完全なパフォーマンスを披露することは叶いませんでしたが、キラリと光るアイデアにチャレンジした姿が高く評価されました。

技術賞

ロボットの打ち上げ機構にこだわった徳山高専Aチーム「玉屋と鍵屋」が受賞しました。これからのロボットの未来を感じさせる、ダイナミックな動きを見せるパフォーマンスに注目が集まりました。

デザイン賞

人間の腕を模した4台のアームロボットの安定性、緻密な制御と筆圧をコントロールするプログラミング技術を見せつけ、チーム名の通り「達筆」を成し遂げた米子高専Bチーム「Tap it u」が受賞しました。

全国大会出場校

中国地区からは、3チームが全国大会に出場します。

最優秀賞チーム 米子工業高等専門学校 Cチーム「ロボコンサート」
推薦チーム 松江工業高等専門学校 Aチーム「The Animal Painter」
推薦チーム 呉工業高等専門学校 Bチーム「技ミック 混ジック」

バーチャル国技館ではどんなパワーアップを見せてくれるのでしょうか。
全国大会(オンライン)は11月29日に開催です!皆で応援しましょう!

そして、中国地区大会に出場した16チームの皆さん、大変お疲れ様でした。
楽しい時間をありがとうござました!

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