ものづくり 2021年11月05日

高専ロボコン2021|四国地区大会観戦レポート

10月14日、高専ロボコン2021地区大会の第二週目が開催されました。
今年の地区大会は、昨年同様にオンラインでの実施です。学生たちは、各学校から自慢のロボットを披露します。従来のようなロボットづくりができない環境下、学生たちは工夫と技術を凝らしたロボットを作り上げました。強豪ぞろいの四国地区大会では15名の高専生が参加。どんな「すごい技術」が飛び出すのかこうご期待です。

今年の競技は?

今年のテーマは、【超絶機巧(すごロボ)】!とにかくすごい!ロボット。みんな集まれー!
自分たちがこだわってきた技術、挑戦してみたい新しい技(ワザ)を徹底的に追求し、「すごい!技のロボット」を製作し、披露します。

審査ポイント
  1. チームがこだわった技術の難易度とその達成度
    A:技術の難易度と独創性
    B:技術の達成度
  2. ロボットのアイデアとパフォーマンスのすばらしさ
    C:ロボット全体の完成度
    D:パフォーマンスにおける表現力
審査方法
  • チームごとに順番にパフォーマンス
  • 審査員が1人につき8点満点で採点、審査員5人合計で40点満点
  • 今年のパフォーマンスは1発勝負!泣いても笑っても1回の発表で結果が決まります
パフォーマンス時間
  • 事前プレゼンテーション:30秒
  • 発表時間:2分以内

出場チーム紹介

No 出場校 ロボット名・プロジェクト名 No 出場校 ロボット名・プロジェクト名
1 高知高専 Aチーム ボーリング 7 香川高専 詫間キャンパス Bチーム Pick up × 2 Go!
2 新居浜高専 Aチーム Reborn 8 阿南高専 Bチーム 轟々阿南
3 弓削商船高専 Aチーム ダイ・シャ 9 弓削商船高専 Bチーム ダルマ—ル
4 阿南高専 Aチーム メイド イン アナン 10 香川高専 高松キャンパス Bチーム 最高翔羽
5 香川高専 高松キャンパス Aチーム 8236 11 香川高専 詫間キャンパス Aチーム DBZ
6 高知高専 Bチーム ペットボット      

ここからは、知恵とアイデアが詰まった各校のロボットたちの一部を紹介します☟

高知高専 Aチーム「ボーリング」

自在に移動する球体ロボット「モタボ」がボーリングのピンをなぎ倒し、時に障害物をよけ、坂道を駆け上ります。モタボは、内部に仕込まれたモーターが回転し、軸を動かすことで慣性の法則に従って真っすぐに進みます。高専生の細やかなコントロールも素晴らしく、華々しくトップバッターを飾りました。

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新居浜高専 Aチーム「Reborn」

新居浜高専Aチーム「Reborn」は総勢29名になる大チーム。「ないものをつくる」マインドで2足歩行の恐竜ロボット「ニイハマサウルス」を作り上げました。歩行を可能にするべく、サーボモーターのかわりにパワーウインドモーターが採用されていますが、残念ながら屈伸運動や前進運動は不発に終わってしまいました。しかしながら可愛らしいデザイン・こだわりを実現するための試行錯誤が垣間見える夢のある一台となりました。動くところが見たい!!!

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弓削商船高専 Aチーム「ダイ・シャ」

昨年出場を断念した弓削商船高専が2年ぶりに高専ロボコンに参戦です。弓削商船高専Aチーム「ダイ・シャ」は活動が制限され、ほとんど制作時間がとれなかった中で出来ることを追求し、当校の長年の課題であったカメラを用いた画像認識技術に挑みました。厳しい環境下でも意欲的にチャレンジし、着実に技術を次の世代につなげました。

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阿南高専 Aチーム「メイド イン アナン」

かわいらしさと人間らしさを兼ね備えた次世代ロボットを目指したのは阿南高専Aチーム「メイド イン アナン」。メイドロボットの芽衣ちゃんは、瞬きなどの表情変化、首・顔・足・腕の細かな関節の角度調整が可能。ロボットでは難しい、椅子から立ち上がっての二足歩行・配膳に挑戦しました。片足に11ものサーボモーターが仕込まれており、そのすべてを制御することで人間のようななめらかな二足歩行に挑戦しました。

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香川高専 高松キャンパス Aチーム「8236」

人間とリンクした射出ロボットで見事な流鏑馬を披露したのは香川高専高松キャンパスAチーム「8236」。馬ロボット「さくら」は、的ロボット「楓」に搭載されたARマーカーを読み取り、自動で的の前まで移動します。そして、さくらに乗った流鏑馬ロボット「ホシマル」は高専生の動きをトレスし、正確な弓矢の射出を行います。初めての技術にも果敢に挑戦し、見事なパフォーマンスで高得点を獲得しました。

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高知高専 Bチーム「Pet Bot」

伝説の生き物グリフォンを大胆にもペットロボットにしてしまったのは高知高専Bチーム「Pet Bot」。
1年生・2年生で構成されたチームですが、グリフォンの羽ばたきや四足歩行など、見せたいもの・やりたい動作を明確にし、着実に形にしていきました。来年度に期待です!

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香川高専 宅間キャンパス Aチーム「Pickup×2Go!」

香川高専宅間キャンパスAチーム「Pickup×2Go!」は、人工知能を搭載した全自動ゴミ回収ロボットです。ただ目の前に落ちているゴミを拾うだけではありません。3台のロボットはそれぞれ「紙ごみ」「空き缶」「ペットボトル」を識別して回収することができるのです。20万枚もの画像を読み込ませ、ゴミの形状を覚えさせることで、その精度は99%まで引き上げられています。ロボット同士や障害物ぶつからないように自動で回避する機能も備わっており、アイデアを確実に実現する高い技術力を見せつけました。

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阿南高専 Bチーム「轟々阿南」

阿南高専Bチーム「轟々阿南」は、だれもが夢見るピタゴラ装置をロボットにしました。ボールを転がしてピタゴラしながらロボット自らが移動し、さらにボールが3台のロボットを渡っていく斬新さが持ち味です。ロボットからロボットへの射出・キャッチが不調でしたが、数々のギミックや3台すべてを自動制御するなど、意欲にあふれたロボットです。

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弓削商船高専 Bチーム「ダルマール」

ロボットによる、だるま落としを披露したのは弓削商船高専Bチーム「ダルマール」。積み上げられた単位ブロックの一番上には「卒業」のボックスがあり、下の単位ブロックをすべて落とすことに成功すれば、無事卒業です。適当な速度・角度が必要となり、人間でもかなり難しいだるま落とし。2019年度の高専ロボコンに登場した応援ロボットが「ヘルパー君」としてだるま落としをサポートする傍ら、「ダルマール」がシンプル&正確な機構で次々とブロックを落としていき、無事に卒業を決めました。おめでとうございます(*´▽`*)

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香川高専 高松キャンパス Bチーム「最高羽翔」

香川高専高松キャンパスBチーム「最高羽翔」は、人とロボットのバドミントンラリーに挑みました。搭載されたカメラとパソコンにより、シャトルを検知して自動で落下位置に移動。ロボットの後ろに立った高専生の動きをモーションキャプチャで読み込んで、コントローラーなしで体の動きを再現し、ロボットを操縦してシャトルを打ち返すことができます。離れた人ともバドミントンができる、未来のスポーツを実現させました。

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香川高専 宅間キャンパス Aチーム「DBZ」

人とロボットのジャグリング競演で魅了したのは、香川高専宅間キャンパスAチーム「DBZ」。ロボットがディアボロとボールをつかったジャグリングを披露します。ディアボロでは、学生二人とロボットでディアボロを3つを飛ばしあいお互いキャッチする大技を成功させました。ボールのジャグリングでは、6つ同時のボール飛ばし&キャッチ、3次元方向にボールを飛ばすなどロボットならではの演技が光りました。プログラムでボール射出のタイミングを0.15秒ほど微調整することで、 ボール同士がぶつからない正確なジャグリングを実現しています。お見事!

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以上で全パフォーマンスの発表が終了です!皆さんお疲れ様でした!

沢山のすごい技術をありがとうございます!

表彰式

結果はこちら!

優勝 香川高専 詫間キャンパス Aチーム「DBZ」
アイデア賞 香川高専 詫間キャンパス Bチーム「Pickup×2Go!」
技術賞 香川高専 高松キャンパス Bチーム「最高羽翔」
デザイン賞 高知高専 Aチーム「ボーリング」
協賛企業特別賞 本田技研工業株式会社 高知高専 Aチーム「ボーリング」
マブチモーター株式会社 弓削商船高専 Bチーム「ダルマ—ル」
株式会社安川電機 新居浜高専 Aチーム「Reborn」
東京エレクトロン株式会社 高知高専 Bチーム「Pet Bot」
田中貴金属グループ 弓削商船高専 Aチーム「ダイ・シャ」
ローム株式会社 香川高専 詫間キャンパス Bチーム「Pickup×2Go!」
セメダイン株式会社 阿南高専 Aチーム「メイド イン アナン」

優勝

人とロボットの競演で魅せた香川高専宅間キャンパスAチーム「DBZ」が最優秀賞です。ロボットにしかできない技、人間がやっても難しい技の数々をこまやかな調整・制御で完璧に披露しました。

アイデア賞

AIを活用した実用的ロボットを高いレベルまで磨き上げた香川高専宅間キャンパスAチーム「Pickup×2Go!」が受賞しました。

技術賞

モーションキャプチャや画像処理でバドンミントンラリー、香川高専高松キャンパスBチーム「最高羽翔」が受賞しました。

デザイン賞

シンプルな球体に高い技術を詰め込んだ高知高専Aチーム「ボーリング」が受賞しました。

全国大会出場校

四国地区からは香川高専宅間キャンパスAチーム(DBZ)のほか、審査員が推薦した香川高専高松キャンパスAチーム(8236)の2チームが全国大会に出場します。国技館ではどんなパワーアップを見せてくれるのでしょうか。

全国大会は11月28日に開催です!皆で応援しましょう!

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