ものづくり 2021年12月24日

高専ロボコン2021全国大会にいってきた! -前編-

アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト、通称「高専ロボコン」の第34回全国大会が2021年11月28日(日)に両国国技館で開催されました。依然としてコロナウイルスが猛威を奮うなか、会場に集まっての制作や・競技ができなくなった本年、制作期間も短く、思うように制作ができない環境下でも、学生たちは素晴らしいロボットを作り上げました。
毎年、見たこともないロボットアイデアが飛び出すこのイベント。若きエンジニアたちのチャレンジを応援しに国技館に行ってきました!

2年ぶりの国技館へ

2年ぶりのリアル大会!2年ぶりの国技館!!
抜けるような青空のもと、これから繰り広げられる激アツパフォーマンスに胸が高まります。

中央のアリーナに6メートル四方のフィールドが設置されています!

今年の競技は?

今年のテーマは、【超絶機巧(すごロボ)】!
とにかくすごい!ロボット。みんな集まれー!
自分たちがこだわってきた技術、挑戦してみたい新しい技(ワザ)を徹底的に追求し、「すごい!技のロボット」を製作し、披露します。

[審査ポイント]

  1. チームがこだわった技術の難易度とその達成度(採点者5人、各25点満点)
    A:技術の難易度と独創性
    B:技術の達成度
  2. ロボットのアイデアとパフォーマンスのすばらしさ(採点者5人、各25点満点)
    C:ロボット全体の完成度
    D:パフォーマンスにおける表現力
     

[審査方法]

  • チームごとに順番にパフォーマンス
  • 審査員10人合計で100点満点
  • 今年のパフォーマンスは1発勝負!泣いても笑っても1回の発表で結果が決まります

 

[パフォーマンス時間]

  • 事前プレゼンテーション:30秒
  • 発表時間:2分以内

 

前日テストランの様子

大会前日、セメダインはピットクルーにお邪魔し調整の様子を見学しました。大舞台を前にどのチームも最終調整に余念がありません。

テストランの風景

画面越しにみたロボットを間近で見られるのは嬉しいですね

緊張感がただよいます

あ!セメダインの接着剤だ!

いよいよ開幕です

地区予選優勝8チームと全地区で審査員から選抜された18チームの計26チームが、これから自慢のロボットを使ってパフォーマンスを行います。例年の高専ロボコンでは見られない、高専生たちの工夫を凝らしたプレゼンテーション&実況にも注目です!

はじまります!

全国大会出場チームはこちら

ここからは、こだわりが詰まった各校のロボットたちをアイデアごとに紹介します☟

飛ばす!

仙台高専名取キャンパス「ディスクスナイパー」

トップバッターを飾った仙台高専名取キャンパス「ディスクスナイパー」。自動で「動く的」に狙いを定め、フライングディスクを飛ばすロボットです。安定して飛ばすのが難しいとされるフライングディスクを正確に射出し、見事的に命中させました。地区大会では惜しくも不発に終わってしまったパフォーマンスが披露され、スナイパーの名にふさわしい正確な軌道に会場は拍手に包まれました。

 
東京高専「TRICKSTER」

東京高専「TRICKSTER」が投げるのは巨大な宝箱!そして高く射出された宝箱をキャッチするのもロボットです。運び屋ロボットがレーダーで距離を計測し、真下にくるように位置を微調整して、どんどん宝箱を積み上げていきます。ロボット同士の連携と絶妙なバランス調整にもって、人の身長よりも高い6段タワー積みに成功しました。音楽の使い方や実況もレベルが高く、2分間の演技構成もお見事です。

 
鈴鹿高専「プロジェクトS」

鈴鹿高専「プロジェクトS」が披露したのは、ペットボトルを6メートル先のゴミ箱に連続シュートする驚異の自動ロボット。あまりの精度の高さに会場からどよめきに似た歓声が沸き起こります。地区大会では見せられなかった「床に落ちたペットボトルを拾い、ゴミ箱に捨てにいく自動ロボット」も見事な働きぶりで、2台の異なる自動制御の技を見せつけました。

 
熊本高専八代キャンパスBチーム「RUN ONE わん!」

全国推薦枠の熊本高専八代キャンパスBチーム「RUN ONE わん!」は犬のロボットを宙高く射出しハードルジャンプを披露します。犬のお腹にマーカーが仕込まれていて、走行ロボットはこれを読み取って着地位置を計算し、犬を落とすことなくキャッチします。ハードルふたつとびは失敗してしまったものの1.4mと1.8mのハードルを飛び越える大ジャンプを次々と成功させ、会場を沸かせました。落下・破損のリスクの高いパフォーマンスに果敢に挑戦する姿が印象的でした。

 

動物たちのパフォーマンス

大分高専「The Great Penguin Show」

高専ロボコンでは、様々なかわいい動物ロボットが登場しました。大分高専「The Great Penguin Show」は2輪走行するペンギンショー。腹ばいからの自立、バランスをとっての8の字走行、自動車でも上るのが難しい30度の急こう配を駆け上がるペンギンたちに拍手が沸き起こりました。フィールドを彩る装飾も可愛い!

 
奈良高専「ニノ鹿跳」

奈良高専「ニノ鹿跳」が披露するのは、鹿ロボットによる大縄跳び。地区大会から装飾もレベルアップし、鹿ロボット、縄を回す大仏ロボット、高専生もクリスマス仕様に。2台同時のジャンプはひっかかってしまったものの、安定したジャンプ機構で2台による連続跳びも軽やかに成功させました。それぞれに見せ場があり、完成度の高いパフォーマンスでした。

 
苫小牧高専「ワンワンが来た!」

苫小牧高専「ワンワンが来た!」は、音声認識で動く「あずき」と、モーターと空気の力で動く「だいず」がドッグショーを披露します。あずきに搭載されたアプリはロボコンのために開発されたもの。広くて音の響く国技館で音声認識を成功させ、可愛らしい動作を見せてくれました。地区大会では見られなかった、だいずとあずき二匹によるお散歩も成功し、異なる機構で四足歩行ロボットを作るというこだわりが見られるパフォーマンスでした。

自動制御の技!

スイッチを入れたらあとはロボットが自動で動く。そこにはロボットが「自分の位置を認識し」「対象を見つけ」「正確に動作する」、高専生たちの技術が詰め込まれています。

富山高専本郷キャンパス「ロボドックラン」

富山高専本郷キャンパス「ロボドックラン」は、AIで機械学習するロボットレトリーバー。投げられたボールを見失うことなく正確に拾いに行き、飼い主を見つけて持ってきてくれます。センサーをつかった検知は現場の照明環境にも大きく左右されてしまうため、国技館の照明環境を1日で再学習させ、認識の精度を向上させたそうです。尻尾を振るしぐさも可愛いです。

 
広島商船高専「Project STACK」

広島商船高専「Project STACK」がテーマにしたのは全自動ロボットによる「建築」。怪獣ヒロゴンが壊してしまった厳島神社の大鳥居と東京タワーを、自動ロボットたちが元通りに修復します。照明に影響され位置がずれてしまうトラブルがあったものの、ロボットの力だけで壊された建築物を検知し、移動・運搬する高い制御技術を見せつけました。

明石高専「明石止水」

明石高専「明石止水」は流鏑馬の動作(馬が移動する、的を狙う、矢を射出する)すべてを全自動で行うことにこだわりました。メカメカしく、スピーディーで美しい動作が見どころです。制御に苦戦し、全ての的に命中させることは叶いませんでしたが、動きながら矢を放つという高難度なパフォーマンスを自動制御でやりきった、こだわりを追求し究めしロボットです。

 

あの動きをロボットに

秋田高専「白熱!クウェペナ」

ドッジボールと棒拾いを合体させたアフリカの子供あそび「クウェペナ」をロボットで再現したのは秋田高専「白熱!クウェペナ」。会場の照明でボールの有無を認識できずにボールが投げることができませんでしたが、カメラが手動ロボットを認識して自動追尾するすご技を成功させました。

石川高専「箸割観音」

石川高専「箸割観音」は割りばしを美しく割るための技術を詰め込んだロボットです。モーター1つのシンプルな機構で箸を持つ、箸を割ることができる一方で、細く繊細な割りばしを狂いなく割る繊細な力加減の制御と位置調整が必要になります。荘厳なBGMとともに観音様が割りばしを割るのを見守る2分間。会場の心は一つになりました。


 

後編では、ここに入りきらなかった14チームのパフォーマンスを紹介します。こうご期待!

 

→後編はこちら

 


 

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