2020年12月25日ロボコン

高専ロボコン2020|全国大会観戦レポート(後編)

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パフォーマンス順とロボットの紹介

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ここからは後半戦!14チームのアイデア満載のロボットをご紹介します。

⑮沼津高専『チャリモ』

思うように外出が出来ない時代、気軽なお出かけ体験をかなえてくれるのは、遠隔サイクリングロボット「チャリモ」。自転車型コントローラーに同期して、チャリモが動きます。全国大会では「チャリモ2」にレベルアップ!地区大会で課題となっていた自立状態でカーブも曲がれるようになりました。2輪での自立は難しいですが、チャリモの後ろに取り付けた円盤状のリアクションホイールを回すことでバランスを取っているそうです。操縦者が運転を止めている状態(給水タイム)でも、倒れることはありません。

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⑯米子高専『ロボコンサート』

「全てのロボットを自宅で制作できること」を念頭に置き、ロボットを設計・制作し、実現したのが「ロボコンサート」。台数に制限がないという今年のロボコンルールを最大限にいかし、ロボコン史上最多の100台のロボットで盛大なクリスマスコンサートを催しました。
地区大会より4倍の速さでベルを振れるようになり、テンポの速い曲も演奏可能になりました。決勝では「ありがとう(いきものがかり)」を披露し、音の重なりもズレがなく、和音・音階もお手の物!台数の多いロボットたちを見事に調整しました。

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⑰長野高専 Bチーム『acrobox』

セット・衣装・学生のセリフまで拘ってサーカスの世界観を表現しました。鉄棒ロボット・ブランコロボットはいずれも自動制御されており、鉄棒ロボットの高速回転 (逆回転も可!)、ブランコロボット自身の反動をつけた漕ぎ出しに圧倒されます。
フィナーレを飾る鉄棒ロボットとブランコロボットの合体は残念ながらうまくいきませんでしたが、手に汗にぎるドキドキ感は私たちをハッピーにしてくれました。

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⑱富山高専 射水キャンパス『工具 ON』

工具を使いたい時、自動でロボットが持ってきてくれたら作業者がハッピーになる!そんな発想で誕生したロボットです。搬出ロボットが運搬ロボットに工具を持たせ、作業者の元に届けてくれます。運搬ロボットは多数のセンサーで自分の位置を認識し、超広帯無線(UWB)を利用した三点計測を利用して呼び出した人の位置を特定し、自動で工具を運びます。人と自身の位置関係を測定して自動で動くという高い技術が組み込まれたロボットです。

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⑲明石高専 Aチーム『明石新快速』

全自動つり革掃除ロボットが、地区大会よりさらに実用性を求めてパワーアップ!乗客が使ったつり革をすぐに掃除できるように、動いている電車内で動作できる機構に改良しました。カメラが障害物を認識することで、人が持っているつり革を飛ばして、人のいないつり革だけを拭き上げてくれます。地区大会では、移動の際に腕を「ハの字」に開いていましたが、人の顔にぶつからないように上下運動を行うよう変更。実際の使用を想定したアイデアロボットに昇華させました。実際の車両を再現したセット・アナウンスにも注目です。

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⑳群馬高専『TOKYO ROBOlympic in Gunma』

今年の高専ロボコンならではの自由さを活かした、動かし方の全く異なるアスリートロボット達がオリンピック競技を繰り広げます。特徴的な半月型の歯車機構を利用した柔道ロボットの豪快な一本背負いのほか、鉄棒ロボットのダイナミックな大車輪、実際のアーチェリーと同じ原理を再現した矢のリリース機構(命中!)など、すべての動作を高い精度で成功させました。本当のオリンピック中継のような実況解説がパフォーマンスを彩ります。

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㉑八戸高専『碧羅』

「青森三大佞武多」をダイナミックにロボットで再現しました。
形が特徴的な弘前ねぷたに描かれるのは「はんだ誤手」!クスリと笑える小ネタが仕込まれています。続いて登場したねぶたは学生たちの大好物、八戸の烏賊。7色に光るゲーミング仕様です。トリを飾る五所川原立佞武多は青森ねぶたと融合し、ロボットだからこそ出来る「動き」をプラスすることで「溶接をする高専生」を表情豊かに表現しました。

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㉒明石高専 Cチーム『バンドロイド』

人間とロボットのバンド共演で地区大会の話題をさらった当チームは、難易度をググっとあげてアップテンポ楽曲「天体観測」(BUMP OF CHICKEN)に挑戦します。ピアノ・ドラム・ギター・ベース・モーター(回転数をかえて旋律を奏でます)の演奏ロボットは、いずれも制御のレベルも高く、ロボットならではの正確無比な伴奏に、学生たちの表現豊かな声色がのり、観客を魅了しました。

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㉓大分高専『チアロボ』

チアロボたち4台のロボットが繰り広げるのは、一糸乱れぬ同期で行うパラバルーンショーです。完璧な同期をもって、ロボットには扱いの難しい大判の布を使った演技を次々と成功させます。さらに全国大会では「カメラマンロボット」が登場し、こちらも自動制御でチアロボの位置を認識、臨場感あふれる「ロボット目線」の撮影が可能になりました。決勝ではカメラマンロボットが演技に加わり、5台の統制のとれた動きでよりレベルの高いパフォーマンスを披露しました。

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㉔小山高専『シンクロシスターズ♪』

デザインのインパクトと床を水面に見立てる独創的アイデアで、関東甲信越地区大会トップだったシンクロシスターズ♪が登場です。頭ロボットと足ロボット計6台が広大なフィールドを広々とつかい、複雑なフォーメンションチェンジで演技します。足ロボットは、人間の足と同じく股関節・膝・足首に関節ができており、自由自在に動かすことで可能です。本物の競技のように、足の先まで美しく、しなやかに表現力に目が釘付けになりました。

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㉕大阪府大高専『はうすわーかーず』

『「大阪らしさ全開」で見てくれた全員の思い出に残るロボットを魅せる』コンセプトに選んだテーマは「大阪のおばちゃんのモーニングルーティーン」。洗濯・旦那起こし・朝食づくり・お見送りを4台のおばちゃんがダイナミック且つド派手に披露します。楽しませる工夫が随所に仕込まれたセット・小道具と、学生による素晴らしい実況とが相俟って、笑いっぱなしの2分間でした。

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㉖旭川高専『飛脚屋【連歩】』

校舎の広さに定評のある旭川高専キャンパスをフィールド(出場校中最大)に5台のロボットにより繰り広げられる、卒論提出リレーの模様をお届けします。フィールドの広さはもとより、ロボットの台数が増えるとその分調整・連携も難しくなりますが、手すりを上る⇒次のロボット投げ渡す⇒ながーい廊下を高速で走り抜ける⇒次のロボットに(2階から)投げ渡す⇒先生のもとに運ぶ動作を通じて、卒論は時間内に先生のもとに届きました。卒業おめでとうございます!

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㉗松江高専『The Animal Painter』

完璧に制御された可愛い動物ロボットたちが大キャンバス1枚の大きな絵を描き上げます。動物ロボットにはそれぞれローラー、ペン、スタンプ、紙吹雪が仕込まれており、1体1体個性のある動きで担当部分を描きます。動物目線のカメラワークも計算されており、途中まで作品の全容は隠されています。2分経過したとき、カメラが引くとそこには美しい風景が広がっており、数十台のロボットを自動制御する技術の高さを見せつけました。

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㉘呉高専『技ミック混ジック』

人間でもスキルを要する、マジックをロボットアームで行います。マジシャンの繊細な手さばきを再現する学生の卓越した操縦スキルと、ロボットアーム本体のなめらかな動作によって見事トランプ予言マジックを成功させました。後半は地区大会でも気になっていたマジックのタネあかしが入り、ロボットのクオリティはもちろん、マジックパフォーマンスで魅了しました。

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表彰式

結果発表!
ロボコン大賞 沼津高専『チャリモ』 Youtube動画はこちら
超優秀賞 小山高専『シンクロシスターズ♪』 Youtube動画はこちら
超はぴ☆ロボ賞 沼津高専『チャリモ』 Youtube動画はこちら
アイデア賞 大分高専『チアロボ』 Youtube動画はこちら
技術賞 熊本高専 八代キャンパス『foldmachine』 Youtube動画はこちら
デザイン賞 福島高専『鈴音』 Youtube動画はこちら
アイデア倒れ賞 長野高専Bチーム『acroboX』 Youtube動画はこちら
協賛企業特別賞 本田技研工業株式会社 長野高専Dチーム『どんちゃか 龍舞』 Youtube動画はこちら
マブチモーター株式会社 長岡高専『connection』 Youtube動画はこちら
株式会社安川電機 北九州高専『トイレスキュー』 Youtube動画はこちら
東京エレクトロン株式会社 明石高専Aチーム『明石新快速』 Youtube動画はこちら
田中貴金属グループ 新居浜高専『別子ブラザーズ』 Youtube動画はこちら
ローム株式会社 秋田高専『Run・Turn』 Youtube動画はこちら
セメダイン株式会社 都城高専『とどけ!ケーキゴーランド!』 Youtube動画はこちら

ロボコン大賞

今までと全く異なる2020年度高専ロボコン。唯一無二のアイデアでロボコン大賞に輝いたのは!アイデア・技術の両方でもって感動とハッピーを与えてくれた沼津高専『チャリモ』。制作の多くはオンラインを通じてやることが多かったそうですが、困難な状況でも力を合わせて、遠隔サイクリングという多くの人の願いをかなえるロボットが誕生しました。おめでとうございます!

超優秀賞

予選ラウンド42.2点、決勝ラウンド46.2点の合計88.4点で小山高専『シンクロシスターズ♪』が受賞しました。

超はぴ☆ロボ賞

予選ラウンド39.7点、決勝ラウンド43.7点の合計83.4点で沼津高専『チャリモ』が受賞しました。

アイデア賞

扱いの難しい布を、自動制御の複数ロボットで操りパフォーマンスを披露した大分高専『チアロボ』が受賞しました。

技術賞

やわらかい布を扱う技術はもちろん、花粉を落とすギミックや、ハンガーを自動で抜き取る機構など、細部までこだわり、またそれを実現した熊本高専『Fold Machine』が受賞しました。学生の営業トークも素晴らしく、「本当にあったらいいな」と思わせる技術が詰め込まれていました。

デザイン賞

2人の抜群のチームワークで挑んだ福島高専『鈴音』が受賞しました。演奏はもちろん、優しさと感性にあふれた美しいデザインが評価されました。

アイデア倒れ賞

多くの観客をドキドキさせた長野高専『acrobox』が受賞しました。空中ブランコの合体は残念ながらうまくいきませんでしたが、自動制御による2台の空中合体という難易度の高い技にチャレンジした姿勢が評価されました。

高専ロボコン2020全国大会を終えて

開催が危ぶまれた本年のロボコンですが、こうして素晴らしいロボットを見ることができて嬉しく思います。集まれなくても、制作時間が短くても、困難な状況でもロボコニストの情熱・アイデアは止まることがありません。来年は集まって皆さんの雄姿が見られるのを楽しみにしています。

参加された皆さん、本当におつかれさまでした!

ハッピーをありがとう!

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残念ながら観戦できなかった方へ

この激闘の様子は下記スケジュールにてNHK総合で放送されます!

2020年12月26日(土)15:05~15:59

このライブ感を皆さんと味わいたい!来年も高専ロボコン観よう!


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